やり投げ北口の日本新舞台裏 競技場に絶妙追い風、かつて男子でも

西日本スポーツ

 ◆北九州陸上カーニバル(27日・本城陸上競技場)

 一般女子やり投げで世界選手権代表の北口榛花(日大)が5投目に66メートル00の日本新記録をマークして優勝した。5月に自身が出した日本記録を1メートル64センチも上回る大記録を生み出したのが終始吹いた追い風で、大会を主催した福岡陸上競技協会(福岡陸協)の好判断が光った。

 福岡陸協によると同競技場でやり投げを行う際は、第1、2コーナー側から投げる場合と第3、4コーナー側から投げる場合があり、あらかじめ追い風が見込める向きを予測して決める。晴れの日は響灘から海風が吹き、第3、4コーナー側から投げると追い風になることが多い。逆に天候が悪くなると、第1、2コーナーの方角にある山から風が吹き下ろしてくるという。

 26日の競技後、福岡陸協は天気予報を見て27日が晴れになると確認。第3、4コーナー側から投げることを決めた。当日日朝の時点では向かい風になっていたが、福岡陸協理事で北九州市陸上競技協会の中村達志副理事長は「晴れていたので、やがて追い風になると確信していた」という。

 予測通り、午前10時40分に競技が始まると追い風になり、北口は1投目から63メートル台をマーク。手応えをつかむと5投目にビッグスローを披露し「ウオーミングアップのときは向かい風が吹いていたので低く投げなければと考えていたけど、得意な追い風に変わったので好きなように投げられた」と好条件に感謝した。

 本城陸上競技場では平成元年の1989年4月16日に男子やり投げの溝口和洋(ゴールドウイン)が85メートル22の日本新記録を出したことがあり、今でもコースレコードとして残る。当時、会場で歴史的瞬間に立ち会った中村副理事長は「あのときは天気が悪く、第1、2コーナー側から投げた」と記憶している。溝口は約1カ月後に87メートル60を出して自らの日本記録を塗り替えた。

 令和元年に日本新を出した北口も「とりあえず次は68メートル。いずれは70メートルを超えたい」と志す。目標を達成すれば、来年の東京五輪では表彰台どころか日本人女子の投てき種目では初の金メダルも見えてきそうだ。

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