早田ひな「どこに住んでるか分からない」苦境の五輪代表候補が漏らした本音

西日本スポーツ

 卓球の東京五輪代表争いが大詰めを迎えている。男女それぞれ三つの出場枠をかけ、選手たちは世界各国のプロツアーを転戦中。4月の世界選手権個人戦女子ダブルス銀メダルの早田ひな(日本生命)は厳しい立場に立たされている中で最後まで可能性を信じ、世界中を飛び回っている。

 10月下旬の羽田空港。スウェーデン・オープン(OP)、ドイツOP、ポーランドOPとヨーロッパでの3大会を終えて帰国した早田は笑いながら言った。

 「どこに住んでいるのか分からないんです」

 9月中旬には台風15号の影響で移動に四苦八苦しながらも南米で開催されたパラグアイOPで優勝。遠征のない短い日本滞在中も、各地で開催されるTリーグに参戦した。まさに「どこに住んでいるのか分からない」といった状況なのだ。

 卓球の東京五輪シングルス日本代表は2人。来年1月の世界ランキング上位2人が選出される。団体戦メンバーとなる3人目は、シングルス代表でもある2人とのダブルスの相性や世界ランキングを考慮して強化本部が推薦する。ただし、団体戦のシード順位はシングルスの世界ランキングによって決まるため、シングルスの順位がメンバー選考に大きく影響する。

 10月の世界ランキングで日本勢は7位伊藤美誠(スターツ)、8位石川佳純(全農)、9位平野美宇(日本生命)の3人が突出している。早田は伊藤とペアを組んだダブルスで実績があり中国選手にもひけを取らないパワーを高く評価されているものの、ランキングは日本選手で6番手の26位。ランキングに影響するポイントを上積みするため、出場試合数を増やしているのだ。

 スウェーデンOP、ドイツOPはともに決勝トーナメント1回戦で敗退。この2大会より格付けが低く、日本勢の上位3人が出場しなかったポーランドOPでは8強にとどまった。帰国時は「3大会、自分の思う通りの成績が出せなくて帰ってきたので、いつもより精神的に疲れる」と、さすがにダメージを隠せずにいた。

 それでも、最後までファイティングポーズはとり続ける決意を固めている。「試合の中で成長している実感がある。日程や体力的にしんどかったりするけど、自分の中で希望が見えているというか…。五輪を諦めていない気持ちはあるし、自分で変わりたいという思いや、自分だったら変われるという思いでやっている」

 幼いころから自身を知る石田大輔コーチら、ともに世界を回る「チームひな」の存在も大きい。「みんな目指しているところは同じ。可能性があるから教えてくれている。それに私も応えたい」と力を込める。

 時差ぼけがなく、どんな状況でも眠れることが大きな武器。取材の最後に早田は「書いておいてください」と言って、こう続けた。「寝ることは重要な才能」。前向きに笑いながら、19歳の五輪代表候補は次の試合の地へ向かう。(伊藤瀬里加)

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