プロ19年目の「最遅」記録 ソフトバンク内川37歳で「夢が現実に」

西日本スポーツ 山田 孝人

 三井ゴールデングラブ賞の受賞者が31日に発表され、パ・リーグの一塁手部門で福岡ソフトバンクの内川聖一内野手(37)が史上「最遅」のプロ19年目で初の栄誉に輝いた。打撃で数々のタイトルを手にしたベテランは、今季は驚異の守備率10割と安定感を見せ、以前から熱望していた同賞をゲットした。ホークス勢は両リーグ最多の4人が選出され、投手部門で千賀が9年目で初、捕手部門で甲斐が3年連続3度目、三塁手部門では松田宣が7年連続8度目の受賞となった。

■16年に一塁転向

 待ち望んでいた吉報に、思わずベテランの言葉も弾んだ。プロ19年目。2014年に18年目で初受賞した森野(中日)の記録を更新する史上最も遅いゴールデングラブ賞に、内川は「夢みたい。夢が現実に、という気持ち。うれしいという言葉だけでは言い表せない」とコメントに最上級の喜びを込めた。

 セ・パ両リーグで首位打者と最多安打に輝き、ベストナインにも昨年まで5度も選ばれている。まばゆいばかりの栄光に彩られているバットマンの野球人生。それでも今回の栄誉は格別なようだ。「過去の打撃のタイトルもうれしかったですが、守備を評価していただいたことを、野球選手として誇りに思います」とうなずいた。

 守備で文字通り「完璧」な1年を過ごした。今年は出場137試合のうち130試合で一塁を守った。パの一塁手では1968年の榎本(東京。現ロッテ)の9割9分9厘を更新する、リーグ初の守備率10割を記録した。「10割で取れなかったら、一生取れないと思っていたから喜びもひとしお」。2位に71票の大差をつけ、文句なしの選出となった。

 かねて熱望し、ずっと届かなかった金色のグラブ。「ずっとあのグラブに憧れていた。ずっと取りたいと思い、プレーしている」。シーズン中にそう口にしたこともあるほど、こだわりのある賞だった。

■コーチ陣に感謝

 悲願を成し遂げられたのは一人の力ではない。横浜(現DeNA)から2011年にソフトバンクに加入。当初は移籍前と同じく主に外野を守ったが、16年に一塁手へ本格転向した(内野手登録は18年から)。慣れない一塁守備を習得するため、春季キャンプなどで当時の鳥越内野守備走塁コーチ(現ロッテヘッドコーチ)の厳しいノックで力をつけた。

 今年2月の春季キャンプでは、後輩でもある本多内野守備走塁コーチのノックで特守に取り組む姿もあった。内川は「下手くそな自分に付き合ってくれた鳥越さんにも、本多コーチにも本当に感謝をしています」と頭を下げる。打撃に加えて、守備面でも3年連続の日本一に貢献。ひたむきな努力に光が当たった年になった。 (山田孝人)

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