マラソン札幌移転に瀬古氏が激怒 「川内にしますよ」仰天プランも

西日本スポーツ 末継 智章

 日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーが1日、東京五輪のマラソンと競歩の会場が札幌市に変更された件について「何で札幌なのか分からない」と口にした。

 瀬古リーダーは福岡市内で行われた福岡国際マラソン(12月)の招待選手発表会見に出席。会見を終えて報道陣の取材に応じ「IOCが決めたことに対してとやかく言うつもりはない。決まった以上は粛々とやっていくしかなく、過去のことは忘れて頑張っていきたい」と強調した。しかし、質問を受けているうちに次々と不満を漏らした。

 まず、会場を札幌に変更することについて「10月16日の夜に電車の中でネットを見て知った。寝耳に水で腰が抜けそうになった」と明かした。いまだにJOCや東京五輪組織委員会からの説明はなく「強化のわれわれトップが知らないのは不本意。他の強化(担当者)もやる気がなくなったという話を聞いている」と眉間にしわを寄せた。

 さらに東京より気温が低いことを見越しての札幌開催についても「昨年の8月2日は34度(実際は今年で最高気温34・2度)で東京と変わらない。涼しいところなら山中湖とか河口湖とかいっぱいある」と疑問を提示した。

 東京の次の五輪開催地、パリも気温が40度近くまで上昇することがある点も問題提起。「どこでやるんですか。これからの五輪もそういう(急な変更)があるのかと思い、信じられなくなっちゃう。マラソンという競技は冬のスポーツ。冬季五輪に組み込むレベル」と主張した上で「冬季五輪でマイナス10度になったら(日本代表は)川内にしますよ。もうあいつしかいない」と悪天候だった昨春のボストン・マラソンで優勝した川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)の名前を挙げ、皮肉まじりのジョークを繰り出した。

 東京五輪を想定し、ほぼ同じコースで日本代表を一発選考するマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を仕掛けた張本人でもある。「残り5キロの上り坂をどうやって克服するかとイメージしてやってきた。東京ありきでやってきたことを生かせないのは残念」と落胆の色は隠せない。

 札幌に会場が移ったマラソンの開催日やコースはまだ固まっていない。対策も立てられず、服部勇馬(トヨタ自動車)ら既に代表に内定している選手にも声をかけられる状況ではないという。「選手は不安がいっぱい。選手が心配なく走れるような環境をつくってあげたい」と願いつつ「暑熱対策など、今までやってきたことは無駄にはならない。落ち着いたらみんなで集まって対策を決めるが、基本的には力を上げていくしかない」と最後は前向きな言葉を並べた。(末継智章)

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