5球団競合の豪腕が背水の海外渡航 ソフトバンク田中がプエルトリコWLへ

西日本スポーツ 山田 孝人

 福岡ソフトバンクの田中正義投手(25)が、背水の覚悟で海外武者修行に挑む決意を示した。1日、米領プエルトリコで開催されるウインターリーグの派遣メンバー入りしたことが発表された。今季大躍進を果たした高橋純と周東が昨年に参加したリーグでもある。失意の3年間の経験も糧に、自らもブレークの流れに乗って、4年目の来季こそ5球団競合右腕の真価を示す決意だ。

 ドラフトの目玉として、5球団が競合した秋から3年。秋季キャンプが開催されている宮崎で、田中は自身を取り巻く環境の変化を口にした。「もう、期待もされていないのではないかと思う。ぶっちゃけ、べらべらしゃべる立場でもない。来年のマウンドの姿を見てもらうしかない」と悲愴(ひそう)な決意を示す。

 悔しい記憶ばかりの時間だった。1年目は右肩の負傷もあり登板なし。2年目は10試合で投げたが、防御率は8・56と1軍に定着することができなかった。3年目の今季は1試合のみで、ほとんど2軍暮らし。「丸3年、全く結果が出ていない。何を言っても説得力がない」とうつむいた。

 苦しい現状を打破するため、右腕は海を渡る。プエルトリコで行われるウインターリーグへの派遣が決まり、7日に出国する予定だ。昨年は高橋純と周東らが参加して、今シーズンの大ブレークへの足がかりをつくった。それだけに「自分も続きたい思いは強いです」と力強く前を見据えた。

 遠く離れた異国の地。言葉も食事も日本と全く同じとはいかないが、田中は自身の最大の弱点を克服するチャンスだと捉えている。「自分はメンタル面の課題が他の人よりも多い。意識していきたい」と言う。倉野ファーム投手統括コーチも「思うようにいかない外国で、どれだけ自分を強く持ってやれるか。彼の場合はそこだから」。素質は誰もが認めているだけに、精神的な成長を期待した。

 1日はブルペンで75球と精力的に汗を流した右腕は、現地へは米5キロを持ち込んで、体調管理も自らで徹底する方針だ。「多くの試合をこなして、真っすぐの強さなどを追い求める。来シーズンから逆算して仕上げていきたい」と口元を引き締めた。厳しい世界に身を置いていることを実感することも多い。「もう2人しかいないですから…」。同学年は、自身を含めてチームには気づけば真砂だけになった。だからこそ強い覚悟もにじむ。「とにかくやるしかないし、それを見てもらうしかない」。未完の大器で終わるつもりはない。 (山田孝人)

 ◆周東と高橋純のプエルトリコ 2018年オフには、周東と高橋純、真砂がプエルトリコでのウインターリーグに派遣された。周東は26試合で打率3割4厘。ウエスタン・リーグで打率2割台前半だった打撃面で結果を出した。帰国後には「(プエルトリコは)所属チームが決まっていない選手も多く、とにかくハングリー。必死さを見習わないといけない」と振り返った。高橋純は17年に1試合登板し、18年の登板はなかったが、プエルトリコ経験後の今季、45試合に登板し3勝2敗、17ホールド、防御率2.65の成績を残した。

 ◆杉山、三森も派遣 ソフトバンクは1日、プエルトリコで開催されるウインターリーグ(WL)に3選手を派遣すると発表した。派遣されるのは田中のほか、来季2年目の杉山一樹投手(21)と、同4年目の三森大貴内野手(20)。今季まで3軍で指導した田之上2軍投手コーチとスタッフ2人が同行する。

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