侍ジャパンの“飛び道具”はソフトバンク周東 周到に勝負靴を準備

西日本スポーツ 松田 達也 鎌田 真一郎

 【台中(台湾)松田達也、鎌田真一郎】世界一まで駆け抜けろ! 侍ジャパンの周東佑京外野手(23)が国際大会デビューとなるプレミア12で、機動力を駆使して1点をもぎ取る「スモールベースボール」を体現する。ベネズエラと対戦する5日の1次ラウンド初戦を控え、会見に臨んだ稲葉監督は日本の強みを「機動力」と明言。足のスペシャリストとしてサプライズで初選出された男が、世界の猛者を相手に駆け回る。

 台中市内の高級ホテルに設けられた会見場の壇上には、1次ラウンドB組で相まみえるチームの監督4人が顔をそろえた。初戦前日の会見で、稲葉監督は日本の強みについてはっきりと答えた。「攻撃では機動力を使う野球をやりたい」。ライバルの前でスピードを前面に押し出した野球を展開することを誓った。

 指揮官は就任以来「スピード&パワー」をテーマに掲げてきたが、今大会の前に組まれたカナダとの強化試合2試合ではチームの本塁打はなし。東京五輪前最後の大会はスピードが鍵となる。思い描く野球を具現化するために招集した周東について「終盤の1点が欲しい場面で使う。勝っていても、ビハインドでも、あと1点欲しいというところで」と期待を寄せた。

 育成から支配下入りして1年目の今季は102試合に出場。20安打を放ち、その数をいずれも上回る25盗塁、39得点を記録した。足のスペシャリストとしてシーズンで驚異的な数字を残した俊足は、巨人との日本シリーズでも打線の“スイッチ”としての役割を発揮し、第1、2戦は代走で出場した7回にいずれもチームが得点。ベンチにいるだけで相手に脅威を与えられる希少な存在だ。

 侍ジャパンで自らが求められる仕事も「1点勝負の試合も出てくる。チームにいるときと役割は同じ。しっかり、走りたい」と重々理解する。10月31日のカナダとの強化試合(那覇)では1点差に迫った9回2死一塁の場面で代走として侍デビューし、初球でしっかり二盗を決めた。初戦を控えた練習が行われたのは地元台湾との第3戦の舞台になる台中の球場。自分の仕事場となる塁間の走り心地を入念に確認した。

 準備は怠らない。シーズン中はマジックベルト式のスパイクを使用したが、今大会では靴ひもを通すタイプのスパイクに変更。「しっかり固定することができる」と、屋外球場の軟らかい土にも対応するため細かな部分にこだわる。足元からがっちり固めたスピードスターが、期待通りに勝負どころでの1点をもぎ取りにいく。

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