また開幕星の甲斐野に仰天 侍稲葉監督「初代表でルーキーなのに…」

西日本スポーツ 松田 達也 鎌田 真一郎

 ◆プレミア12 1次ラウンドB組 日本8‐4ベネズエラ(5日、台湾・桃園)

 【桃園(台湾)松田達也、鎌田真一郎】稲葉ジャパン唯一のルーキーが逆転勝ち発進を呼んだ! 2点ビハインドの8回、甲斐野央投手(22)=福岡ソフトバンク=が1回をピシャリと抑える快投。その裏、打線が一挙6点を奪って逆転に成功した。甲斐野はホークスの今季開幕戦でプロ初登板初勝利を飾ったのに続いて「プレミア12」開幕戦でも勝利投手に。同じホークスの高橋礼投手(24)が先発する6日のプエルトリコ戦で一気に連勝だ。

■最速155キロ

 どんな舞台でも、ちゃんと仕事をやり遂げる。ルーキー唯一の侍、甲斐野が躍動した。2点ビハインドの8回。マウンドに上がれば、鬼の形相に変わる。そして、1球で球場の雰囲気を一変させる。世界への名刺代わりの初球は154キロ。うなりを上げる直球で、スタンドをざわつかせた。

 「代表初登板で緊張した。むしろ僕は緊張しないとダメ。真っすぐを投げて、あの歓声が聞こえてうれしかったし、あれで乗っていけた」

 元ヤクルトのリベロをこの日最速の155キロで右飛に打ち取ると、ブランコを154キロで中飛。マチャドからはフォークで空振り三振を奪う。わずか8球で三者凡退。22歳の快投が流れを呼び込み、味方が一挙6得点。侍ジャパンでの国際大会初登板で、自身の初勝利もたぐり寄せた。

 強運であると同時に、並外れた度胸の持ち主である。プロデビュー戦は3月29日の西武との開幕戦。同点の延長10回から登板し、2イニングで計5三振を奪って強力打線を無失点に抑え、プロ初勝利を手にした。そこからシーズンでチームトップの65試合に登板し、ポストシーズンもフル回転。千賀らの辞退による追加招集で「プレミア12」のメンバー入りを果たした。「僕はまだ本物の侍じゃないですから」。そう謙遜していたが、大舞台で重要な戦力になり得ることを証明した。

 日の丸を背負うのは、東洋大4年時に出場した昨年の日米大学野球とハーレム国際大会以来。主に抑えで計9試合、13回1/3を無失点、24奪三振の活躍だった。米国遠征でも最速150キロ超の右腕は注目を浴びた。

 相手チームの選手に話しかけられるうち、米国人の輪の中に1人で交ざることも珍しくなかった。「そんな、英語なんて分かるわけない。でも、雰囲気とかで分かります」と言ってのけた。スカウト風の男が近づいた時も、近くにいた米国人選手を「通訳して」とジェスチャー交じりにせかし、話の内容を理解しようとしたこともあったという。

 今回も海外で動じることなく、トッププレーヤーに自然と溶け込んでいる。投手陣で唯一稲葉ジャパンで全ての試合、大会に招集されているクローザーの山崎も「本当にみんなにかわいがられるのが分かる。僕も最初はおどおどしていたのに、堂々としていてすごい」と順応性の高さに驚く。「プレミア12」の開幕戦で劣勢に立たされていた侍を、強心臓の“末っ子”が救った。

   ◇    ◇

 稲葉監督「初代表でルーキーなのに、堂々とした投球だった。自信にしてくれたら」

 建山投手コーチ「負けている場面で投げる投手は、流れを引き寄せる役割がある。甲斐野はそれができる投手。この先も、大事な場面で起用することになる」

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