台湾でソフトバンク勢が白星独占 高橋礼は6回2死まで完全投球

西日本スポーツ 松田 達也 鎌田 真一郎

 ◆プレミア12 1次ラウンドB組 日本4-0プエルトリコ(6日、台湾・桃園)

 【桃園(台湾)松田達也、鎌田真一郎】侍ジャパン初先発の高橋礼投手(24)=福岡ソフトバンク=がプエルトリコ打線を6回2死までパーフェクトに抑える快投を演じた。アンダースローからの浮き上がる直球“ライジング”にスライダーやシンカーを織り交ぜて内野ゴロの山を築き、初戦の甲斐野に続いて白星を手にした。1次リーグB組は、開幕2連勝の日本と台湾の2次ラウンド進出が決定。日本は7日にB組1位を懸けて台湾と対戦する。

■6回2死まで完全

 サブマリンが桃園国際野球場内の視線を独占した。侍ジャパンで国際大会初先発の高橋礼は、プエルトリコ打線を6回2死まで完全投球。その間、わずか59球。持ち味のテンポの良さを存分に発揮した。四球による初めての走者を許し、スタンドから漏れたため息は偉業達成への期待感の裏返しだった。

 続く1番O・マルティネスに左前へ初安打を許し、初めて迎えるピンチにも冷静だった。「一瞬で雰囲気は変わってしまうし、失点してしまうと4点返されるかもと思った」。デヘススに厳しいコースを突く。最後はスライダーで空振り三振。ふうっと息を吐きだし、静かにマウンドを降りた。

 プレミア12の公式球は直球が浮きやすいため、“ライジング”で高低差を生かした。「真っすぐを狙っていても、打球が上がらない日だと思った」。どんどんストライクを投げ込み、6回73球で1安打無失点。18個のアウトのうち内野ゴロが14個に上った。

■73球1安打3K

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、プレミア12、五輪(プロ選手参加が認められた2000年シドニー以降)を通して日本のアンダースローの投手が勝利を挙げたのは渡辺、牧田に次いで3人目だが、先発での勝利は初の快挙だ。

 今季、初めて一年を通じ先発として投げ抜き12勝を挙げ、日本一にも貢献した。その歓喜もつかの間、2日間の休養を経て侍ジャパンに合流した。その間、ご褒美が舞い込んだ。知人に連れられ向かったのは久留米競輪場。そこで遭遇したのが、中野浩一氏だった。

 競輪の世界選手権10連覇を果たしたレジェンド。言葉を交わしたが、突然の対面に「緊張しすぎて何を話したか覚えていない。世界を知る人は、醸し出すオーラが違う」と頭が真っ白に。世界の猛者と戦う前に、修羅場をくぐり抜け頂点に君臨し続けてきたアスリートの“エキス”を注入されていた。

 沖縄合宿を終えて台湾入りした2日に24歳の誕生日を迎え、異国の地でチームメートから祝福された。岸が発熱したため巡ってきた、先発のマウンドが24歳初登板。大抜てきに応えたサブマリンは、もはや代役ではなく、主役級の存在感を示す。2次ラウンドでも先発を任される可能性が極めて高い。サブマリンが日本を世界一へ導く。

    ◇   ◇

 稲葉監督(高橋礼について)「140キロは出なくても力強いボールで差し込んで、ゴロに打ち取っていた。緩急と高低差を使い、改めて素晴らしい投手だと思った。(6回は)四球と安打が出たが、シーズンなら続投だと思う。国際大会は緊張感があるし、相手に流れを持っていかせないために代えた」

 プエルトリコ・ゴンサレス監督(高橋礼について)「本当に素晴らしかった。プエルトリコではほぼ見たことがないスタイルの投手。アンダースローで変化球もストライクゾーンの両端に投げ分けていたし、なかなか打てなかった」

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