ソフトバンク中村晃、自分探しの秋 引退よぎった苦闘の日々

西日本スポーツ 石田 泰隆

 ◆ソフトバンク秋季キャンプ(8日・宮崎市生目の杜運動公園)

 福岡ソフトバンクの中村晃外野手(30)が、「自分探し」をテーマに宮崎秋季キャンプで奮闘中だ。今季は右脇腹痛や自律神経失調症などに苦しみ、パフォーマンスの低下から今季限りでの現役引退を覚悟したこともあったが、秋の宮崎では来季の完全復活を見据えて精力的に動いている。第2クール最終日の8日も若手主体のメンバーに交じって全メニューを消化した。

 一人だけ、質の高い打球を連発する。中村晃だ。定評のあるミート力でライナーを飛ばし、右翼芝生席へ高い放物線も描く。「打球がいいとか悪いとかではなく、今の自分にやれることをやろうと取り組んでいます」。今キャンプへの思いが詰まった言葉だった。

 3年連続日本一を成し遂げて迎えた今キャンプ。今季、体調面に不安を抱えた中村晃は内川や川島らベテラン同様、参加免除の扱いだった。しかし、キャンプ前にあった首脳陣からのヒアリングで参加を志願。その際、若手主体の全体メニューも全てこなす覚悟を決め、その旨を伝えた。

 「去年のオフも体調が悪く、ほとんど練習できなかった。この時期の練習って本当に大事なんですよ。ここでしっかり練習しておかないと、来年の自分にはね返ってくるし、練習することによって、今の自分に何が必要かが把握できる」

 言うなれば「自分探し」キャンプだ。約1時間のランニング中心のウオーミングアップからロングティー、打撃、走塁まで若手とともに汗をかくのは、全て「本来の自分」を取り戻すため。自律神経失調症の影響で「野球どころではない」と何度も引退の2文字が頭をよぎったが、その思いは既に“封印”したようだ。

 首脳陣も中村晃の覚悟を感じ取っている。森ヘッドコーチは「本人からあれをやらせてくれ、これをやらせてくれと言ってきた。来年への意欲の表れ。若い選手のいい見本にもなっている」と感謝。中村晃の「自分探し」は、若手主体のメンバーにも好影響を与えているようだった。 (石田泰隆)

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