ソフトバンク王会長、密着1時間熱血指導 秋キャンプでは超異例

西日本スポーツ 倉成 孝史

 ◆ソフトバンク秋季キャンプ(15日・宮崎市生目の杜運動公園)

 若手よ出てこい! 福岡ソフトバンクの王貞治会長(79)が15日、宮崎秋季キャンプを視察し熱血指導を行った。到着後すぐにメイン球場での打撃練習を見守ると、午後からは、急きょ予定を変更して育成選手の特打をチェック。14日の巨人との練習試合で3ランを放った黒瀬健太内野手(22)には、1時間付きっきりで熱く助言を送った。常勝軍団構築のため若手の激しい突き上げを求め、若手選手にオフの「無休指令」も出した。

 79歳の体には、野球への熱い血がたぎっていた。晴天の中、王会長が午後から向かったのは、主に育成選手が汗を流すサブ球場。本来は16日に育成選手を視察予定だったが、自然と前倒しで足が向いた。「昨日ホームランを打ってたね」。お目当ては、14日の巨人戦で特大の3ランを放った黒瀬だ。

 同じく育成の田城と並び2人だけで特打を行う黒瀬を、打撃ケージから少し離れた場所で30分近く見守ると、ついに動いた。ケージの真後ろまで近づき、スイングの合間にも身ぶり手ぶりで指導。「おいおい、どうしたんだよ。何だよっ!」。疲れと力みからか、打球がフェンス手前で失速すると、熱く、そして激しくゲキを飛ばした。

 1時間以上ぶっ続けで行われた特打で、フルスイングし続けた黒瀬の両手は腫れや出血もあり真っ赤。それでも王会長は、支配下登録返り咲きを目指す4年目の大砲候補に、一球に対する集中力を求めた。「『ラスト』に弱いのか? 試合中は、いつだって『最後』なんだ」。黒瀬が最後の力を振り絞り、ラストの1球を柵越えさせると「ご苦労さん!」と、満面の笑みで手をたたいた。

■オフも「無休指令」

 「マメがえぐれて、痛いと思っていたところで王会長が来られた。途中スイングがバラバラだったけど最後は良くなった。ありがたいです」と、黒瀬は感激しながら感謝した。実戦練習が中心の春に比べると、これまでは秋季キャンプの視察自体も少ない。育成選手にここまで熱のこもった直接指導をするチャンスもなかった。チームの未来を思う王会長の思いの表れだ。

 午前中にメイン球場での練習を見守りながら、王会長は若手のオフの過ごし方について言及した。「野球でメシを食ってるんだからね、野球をやるしかないんだよ。鉄は熱いうちに打て、と言うだろ。やらされていると思ったら休みたくなるけど、自分でやるしかないんだよ」。12月から2カ月間のオフ期間にも自分に厳しくあることを求めた。

 チームは3年連続日本一を果たしながら、特に主力野手の高齢化が進んでいるだけに、若手野手の台頭が常勝軍団構築には不可欠だとの強い思いがある。「去年は甲斐、今年は周東と全国で騒がれる選手が出ているのも、みんな励みになる」。育成から日本代表にまで成長した自軍の選手を引き合いに出し、宮崎の秋空の下、王会長が次なるニュースターの台頭を強く願った。 (倉成孝史)

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