明豊・若杉120球力尽く 延長10回サヨナラ負け 明治神宮野球大会

西日本スポーツ 西口 憲一

 ◆明治神宮野球準々決勝 高崎健康福祉大高崎5x-4明豊【延長10回】(17日・神宮)

 第50回明治神宮野球大会は17日、神宮球場で高校、大学の部の計4試合があり、高校の部では明豊(九州・大分)が初戦の準々決勝で高崎健康福祉大高崎(関東・群馬)に延長10回タイブレークの末、4-5でサヨナラ負けした。エース左腕、若杉晟汰主将(2年)の120球完投も報われず、目標の日本一はお預け。2年連続出場が確実な来春の選抜大会へレベルアップを誓った。

 バックアップに向かった本塁後方でサヨナラ負けを見届けた。明豊の若杉が潔く言い切った。「僕の力がなかった」。延長10回1死満塁からの左犠飛。狙った所に投げた低めの直球を外野へ運ばれた。「優勝してくれ」。試合後の整列を終え、相手主将に声を掛けた。

 序盤の3点リードを追いつかれ、勝ち越しても逃げ切れなかった。「向こうは接戦に強く、負けにくいチームだった」。川崎絢平監督が抱いた相手打線の粘りを、若杉もマウンドで感じ取った。「8回の1点で抑えきれないところが、ああいう流れに…」。8回の失点は注意していた先頭打者の出塁が起点になった。

 秋の大分大会、九州大会を1試合平均約12点の猛打で制した。ただ、打ち勝つだけでは日本一に届かないことを主将の若杉は知っている。習志野(千葉)に4-6で逆転負けした今春の選抜大会準決勝。先発した若杉は1点リードで迎えた7回、先頭打者の長打から追いつかれた。「回の先頭」「1球の重み」を大切にする意識は高まった。

 珍しい「左投げ右打ち」。生まれつき右利きながら、2歳の頃に右手の指をやけどした影響で細かい動作を左手でやるようになった。そんな右利き左腕は自己最速141キロの真っすぐに加え、カーブ、スライダー、チェンジアップを低めに制球良く投げ分ける。けん制も巧み。「相手にすること、しないことのメリハリをつけた」。この日は「機動破壊」を掲げる高崎健康福祉大高崎の積極的な走塁に惑わされず、けん制で一走を刺すなど冷静に対処した。

 「投手力を含めて総合力を上げたい」。川崎監督の言葉に若杉もうなずく。「切り替えて、次に向けて課題に取り組む。背中で見せたい」。敗戦を糧にする反骨心は172センチの体に備わっている。 (西口憲一)

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