侍ジャパン高橋礼 狂った構想で急浮上した「日本式潜水艦」

西日本スポーツ 松田 達也

 ◆プレミア12 決勝 日本5-3韓国(17日・東京ドーム)

 最後の大一番でもサブマリンが輝いた。高橋礼が2回からの緊急登板で2イニングを無失点。決勝の勝利投手となった。「ジャパンとしてチーム一丸となって戦えたのがよかった」。飛躍を遂げた今大会を好投で終え、充実の1年を締めた。

 2被弾で3失点を喫した山口の後を受けて登板。「準備はしていた」。2回を無安打で抑えると、逆転後の3回は先頭に安打を浴びながら、次打者の大きな左飛で二塁を狙った一走を近藤が刺す好守にも助けられ、ゼロで乗り切った。

 開幕前、稲葉監督がエースに指名したのは、2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で活躍したソフトバンクの千賀。だが千賀は右肩違和感で出場を辞退した。34歳のベテラン岸も大会直前に発熱。先発の軸に想定した投手を欠く中、急きょ先発に加わった高橋礼が窮地を救った。台湾での6日のプエルトリコ戦で6回を被安打1、無失点。アンダースロー独特の軌道で打者を幻惑した。2度の先発に加え、決勝では中4日での救援で「全て勝負球のつもりで投げた」と好投。3試合で2勝を挙げるフル回転の働きだった。

 同じく投手陣を支えた甲斐野とともに、大会前の合宿から同世代の投手陣とコミュニケーションを深めた。食事の席でも話題は野球が中心。試合に向かう準備、新球への取り組み方など、シーズン中のライバルたちから刺激をもらった。

 東京ドームで味わった悔しさもばねにした。交流戦優勝が決まる可能性があった6月22日の巨人戦。3回2死から連打を浴びると、丸への内角要求のボールが甘くなり、先制中前打とされた。捕手の甲斐に「1球でおまえの野球人生が変わるかもしれない。厳しくても求めるよ」と言われ、未熟さを痛感させられた。

 今大会の侍は、投手陣の安定感を生かして世界一を目指した。その象徴的な存在となったのが高橋礼だった。台湾での活躍に現地でついた異名は「日本式潜水艦」。来夏の東京五輪に向けても、代えの利かない存在として浮かび上がった。 (松田達也)

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 嘉弥真(代表初招集で優勝に貢献)「自分が日の丸のユニホームを着て投げられると思っていなかったのに、世界一の一員になれて本当にうれしい」

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