慶大日本一 ソフトバンク5位柳町「やばいなと」涙こらえた理由

西日本スポーツ 長浜 幸治

 大学日本一で有終の美-。福岡ソフトバンクからドラフト5位で指名された慶大の柳町達外野手(22)が20日、明治神宮野球大会の決勝、関大戦で2安打を放ち、チームを19年ぶり4度目の大会優勝に導いた。ホークスで「秋の神宮制覇」を手土産にプロ入りするのは、2007年ドラフトで6球団が1位指名で競合し鳴り物入りで東洋大から入団した大場翔太以来。大学最後の試合を最高の形で締めくくった22歳は自信を胸にプロの世界でも大暴れを誓う。

■「最高の気分」

 左翼の守備位置から跳びはねるようにマウンドに向かい、右手の人さし指を空に向けて背番号1はチームメートと歓喜の輪をつくった。今大会を区切りに退任する大久保監督の胴上げ後、仲間の手で5度宙を舞った柳町。「ただただ最高の気分です」。端正なルックスをふにゃっと崩した。

 東京六大学で歴代13位の通算113安打を放った実力を大学最後の試合でも見せつけた。2点リードの8回無死一塁。「前の3打席はやられていたので、何とか食らいつこうと思った」と相手左腕の直球を中前に運んだ。好機を広げ、後続もつながりこの回一挙4点。「2回以降は点が取れていなかったのでよかった」と勝利を呼び込む一打を喜んだ。

 9回にも中前打を放ち、今大会初の複数安打で締めた。全3試合で安打を記録し、打率4割とチームをけん引した安打製造機。試合後は常に笑顔だった22歳は懸命に涙をこらえていた。「大久保監督のインタビューや、登録メンバーから外れた選手の顔を見てやばいなと。でも最後は笑顔で終わりたかったから」

 神奈川・慶応高では甲子園出場はかなわず、慶大入学前には「練習についていけるかな」と不安ばかりだった。それでも4年間でリーグ戦全102試合にスタメン出場するなど大きく成長。「長くて内容の濃い4年間だった」。最高の形で大学野球生活を終え、感慨はひとしおだった。

 柳町と同じように秋の神宮を制し、東洋大から「平成の鉄腕」と期待されて入団した大場はプロの厳しさに伸び悩み、そしてプロの世界から去っていった。甘くない世界と肝に銘じている。「プロに入ってからが本当の勝負。もっと成長しないと」。歓喜の余韻はほどほどに、次なるステージでの活躍を誓った。 (長浜幸治)

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