永瀬 国際大会4連続V 男子81キロ級 柔道GS大阪

西日本スポーツ 末継 智章

■延長で反則勝ち

 試合巧者の永瀬は勝負どころを心得ていた。五輪代表を争う世界選手権代表の藤原との決勝。互いに指導二つを受けて入った延長で、立て続けに技を仕掛けた。「内容より結果を求めた。どこかでラッシュをかけて反則勝ちで勝とうと」。狙い通り、相手の指導を引き出し、反則勝ちでの決着となった。

 「褒められる内容ではないけど、勝ちきることができたのは評価していい」。どん底も味わった元世界王者は笑顔をのぞかせた。2015年の世界選手権を制し、翌年のリオデジャネイロ五輪で銅メダル。しかし17年世界選手権で暗転した。右膝を負傷し、手術を受けてから「別の脚と思うくらい感覚が違う」と苦しんだ。約1年ぶりに実戦復帰した昨秋の講道館杯で初戦敗退。昨年のGS大阪も準々決勝で敗れ、「感覚が戻っても結果が出なくて」。新たな力の台頭もあり、焦りがあった。

 2年ぶりに優勝した4月の全日本選抜体重別選手権が復調のきっかけになった。準決勝で藤原に優勢勝ちを収めて自信を取り戻すと、強豪がひしめく国際大会で4連続優勝。心の余裕が生まれた。長い手足で相手をさばく安定した闘いに加え、今大会は「相手の重心を崩す場面が多くなってきた」と支え釣り込み足を多用。相手を崩して連続技で仕留める積極性も垣間見えた。

 1年前は絶望的だった五輪が近づくどころか、負傷前より“進化”した姿を見せた永瀬。男子日本代表の井上康生監督は「闘い方も技のバリエーションも増やし、最後まで投げきる意識も持っていた。代表争いは永瀬がリードしている」と藤原との評価を逆転させた。

 「けがの間も絶対五輪に出てやると思っていた」。リオで取り逃した金メダルを見据え、その信念が実を結ぼうとしている。 (末継智章)

PR

柔道 アクセスランキング

PR

注目のテーマ