柔道素根ライバルに感謝 初対戦から3年で逆転五輪代表

西日本スポーツ 末継 智章

 ◆柔道グランドスラム(GS)大阪最終日(24日・丸善インテックアリーナ大阪)

 素根輝(環太平洋大)が女子78キロ超級で初優勝を果たし、東京五輪代表に内定した。8月の世界選手権も制していた素根は、大会後に全日本柔道連盟の強化委員会で出席者全員を賛成を得て代表入り。東京五輪の柔道日本代表内定者は素根が初めてとなった。

 世界選手権で流した涙は流さなかった。決勝に進んだ素根は、同選手権に続き2012年ロンドン五輪金メダルのイダリス・オルティス(キューバ)を延長の末に技ありで撃破。指導3を引き出して勝った前回と違い、大内刈りで投げきった。「五輪代表が決まるのは意識せず、挑戦者のつもりで臨んだ。先に攻めて投げたい気持ちが出た」。阿部詩と丸山が阻まれた代表内定の重圧を自然体で超えた。

 大内刈りは五輪を夢見始めた小学生のときから得意としてきた。教えた父の行雄さん(58)が「技をかけると足の先が相手に絡んで抜けない。大人の指導者も倒していた」とほれ込んだ技だ。昨年のGS大阪でオルティスに指導3で敗れてから、釣り手争いや相手に奥襟を取られたときの対応などを徹底して練習。しぶとく粘り、一瞬の好機を逃さなかった。

 田主丸中(福岡県久留米市)1年だった2013年に東京五輪開催が決定した際は「行きたい思いは夢のような感覚でしかなかった」。南筑高(同市)1年で出場した16年秋の講道館杯で初めて対戦した朝比奈沙羅(パーク24)に善戦し、手応えをつかんでから明確な目標に変わった。

 世界女王として臨む今大会の前も1回4分の乱取りを世界選手権前より多い25本行って追い込むなど、座右の銘とする「3倍努力」を1日も忘れたことはない。一時は大きな差があった朝比奈との代表争いを一気に逆転し、どの階級よりも早く決着。「朝比奈さんがいたから強くなれた」とライバルにも感謝した。

 父や兄に鍛えられ、大学進学後も岡山市内で母と同居してサポートを受ける。家族共通の目標は東京五輪での金メダルだ。「苦しい闘いばかりだと思うけど優勝したい」。涙は来年の夏まで取っておく。(末継智章)

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