九州場所10勝の隆の勝、「世界一」のいとこはバスケ界のヒロイン候補

西日本スポーツ

 一人横綱の白鵬が4場所ぶり43度目の優勝を飾った大相撲九州場所(福岡国際センター)で25歳の返り入幕が「令和の主役候補」に名乗り出た。西前頭12枚目、隆の勝=本名石井伸明、千葉県出身、千賀ノ浦部屋=は2日目からの3連敗から巻き返し、人気力士の炎鵬を破って12日目での勝ち越しを決めると、幕内では自己最多となる10勝(5敗)を挙げた。「うれしい。今場所はよく腕が動きました」。番付を大きく上げそうな来年1月場所で飛躍が期待される。

 中学を卒業と同時に角界入りした「たたき上げ」で、入門同期生には輝らがいる。新入幕を果たした昨年の秋場所で8勝7敗と勝ち越しながら、続く九州場所で4勝11敗と大きく負け越して十両に転落。1年ぶりに幕内に戻った今場所は鋭く右を差す相撲で白星を積み上げ、成長ぶりを示した。千秋楽は三役経験のある隠岐の海を引き落とした。場所前には、今夏に発足した九州後援会(古賀克重会長)から正絹(しょうけん)の博多織を使った化粧まわしを贈られて、気力も一層充実。「自分らしい相撲を取って、2桁勝てるように頑張る」との誓いを見事に果たした。

 そんな隆の勝には「世界一」に輝いた自慢のいとこがいる。今秋に開催されたバスケットボール3人制のU23(23歳以下)ワールドカップ(W杯)で初優勝した女子日本代表の永田萌絵=長崎県出身、東京医療保健大4年=だ。男女の全カテゴリー(5人制と3人制)で国際大会を制したのはバスケ界史上初の快挙で、フォワードの永田は4人の代表メンバーの一人として活躍。スピードを生かした切れ味鋭いドライブやカットインに定評があり、将来を期待されている。

 隆の勝の母、雅代さんと永田の母、佳代子さんが姉妹。「彼女が小学生の時に会ったことがありますが、遊ぶことが大好きで活発な子でした」と隆の勝が振り返れば、永田も癒やし系の顔をほころばせた。「私のことを『モエ』と呼んでくださったりして優しくしてもらった印象があります。取組は動画でしか見たことがありませんが、迫力が伝わってきます」。3人制の女子日本代表は来夏の東京五輪に向けて、当初男女ともに与えられる見通しだった開催国枠が男子のみとなったことから、まずは来年3月の五輪選考会(インド)で切符をつかみ取らなければいけない。「U23ワールドカップが終わった時、東京五輪を目指したい気持ちが出てきました。注目されることへのプレッシャーよりも、今はわくわく感の方が強いです」と永田は意気込む。12月の全日本大学選手権(インカレ)で3連覇を目指す強豪の東京医療保健大では主将を務める大学女子バスケ界の顔。こちらも隆の勝に負けじとニューヒロイン候補になる可能性を秘めている。

 「五輪で日本代表になったらすごいですね。自分も勢いをもらいたい」。三役を視界に入れる隆の勝がエールを送る。一方の永田も「競技は違っても励みになります。大相撲も一度は見てみたいです」と色白の肌を紅潮させた。大相撲と女子バスケの意外な取り合わせ。2人の“出世争い”が五輪イヤー、2020年のスポーツシーンを熱くする。(西口憲一)

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