遊撃手もこなす公立校の最速141キロ右腕/注目の高校球児

西日本スポーツ

 九州の高校球児情報に精通したアマ野球ウオッチャー「トマスさん」が、丹念な取材でリストアップした好選手を紹介する「特命リポート」-。今回は福岡・田川の後藤隼(2年)をピックアップします。最速141キロの右腕で、遠賀川流域の「川筋気質」にも通じる強気な投球スタイルは魅力十分。遊撃手を兼任していた守備も抜群で、1980年夏に甲子園の土を踏んだ公立校を引っ張る存在だ。

■投手・2年

 当コラムが西スポで始まった2014年。田川の左腕、秋山遼太郎を取り上げた。卒業後は九州六大学野球の福岡大でノーヒットノーランも達成し、現在は大阪ガスでプレー。私にも印象深い選手だが、同校の好素材の情報を再び耳にした。

 今夏の福岡大会開会式の際、同校の松尾光弘監督から「2年生の遊撃手が投手もするので見てください」と聞き、青豊との3回戦を観戦した。2点を勝ち越された5回の途中に遊撃から救援登板した後藤は、3回2/3を2安打無失点に封じた。

 この試合は、私が「いい投手」の条件の一つと考える「野手の正面を突く打球」が多かった。後日観戦した鞍手との練習試合では痛打を浴びるシーンもあったが、長い腕を軽く振っての最速141キロと淡々とした態度には大きな魅力を感じた。

 秋季福岡大会3位の八幡南との練習試合にも足を運ぶと、8回を5安打1失点で完投。「制球重視で8、9割の力で投げた」。6三振も奪った右腕は、8回には「追い込んだらストレートで狙って三振」という言葉通りに内角直球で仕留めた。

 遊撃手を兼任していただけあり、バント処理を含めたフィールディングも素晴らしい。「2ボール2ストライクでエンドランを仕掛けやすいカウントだから、ランナーのリードも大きくなる」と、頭脳的なけん制で走者を刺す場面もあった。

 大きなテークバックとステップ幅の広い投球フォームから内角を突く強気なスタイルは、「川筋気質」にも通じるきっぷの良さを感じる。五木寛之の小説「青春の門」にも登場する田川のシンボル香春岳を望むグラウンドで、憧れのソフトバンク千賀滉大のように三振が取れる投手を目指す。

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