ソフトバンク上林が内川から離れる理由 「一生弟子は変わらない」

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

■ミズノのミーティング参加

 福岡ソフトバンクの上林誠知外野手(24)が6日、恒例となっていた内川聖一内野手(37)との合同自主トレから「独り立ち」することを明かした。ルーキーイヤーを終えた初めてのオフにその門をたたき、昨オフまで5年継続して師の打撃技術を吸収。ただ、今オフは、シーズン中に骨折した右手を万全に戻すことを優先する必要もあって決断した。この日は、大阪市で行われた「ミズノブランドアンバサダーズミーティング」に参加し、右手にフィットするバットを模索した。

■師匠も納得

 トッププレーヤーが一堂に会する場で、上林は緊張の面持ちだった。3度目となったミズノ社の会議は慣れたもの。だが、一番近くで背中を見てきた内川に「独り立ち」を申し入れるのは、故障した右手の完治を優先させるためとはいえ覚悟が必要だった。決断を伝え「俺もそっちの方がいいと思う」と賛同を得られると、救われた気持ちになった。

 「卒業…というのとは違って、一生弟子であることは変わらない。2年目に2軍で首位打者を取れたのも、1軍でホームランを打てたのも内川さんの教えがあったから」

 右も左も分からないプロの世界で、初めて合同自主トレに参加したのが、今や現役でNPB通算最多安打を誇るバットマンだった。上林が目指す「力感のないスイングで飛距離を出す」という打撃を体現していた。

 最良の「教科書」を得た若武者は、2年目の2015年に1軍デビューを果たすと、8月25日のロッテ戦(ヤフオクドーム)で放った初本塁打がグランドスラム。ウエスタン・リーグトップの打率3割3分4厘をマークするなど徐々に才能を開花させていった。4年目の17年にレギュラーをつかむと、18年は全試合に出場し22本塁打をマーク。プロ野球選手としての階段を駆け上がった。

 順調な成長を阻んだのは、今年4月のアクシデントだ。死球を受けて右手を骨折。判明が遅れたこともあり、シーズン中に痛みが消えることはなく、99試合で打率1割9分4厘と不本意な成績で終えた。「また一からつくりあげる」。再出発となる来季に向け、「治療もじっくりできる」と来年1月は筑後のファーム施設を拠点に体づくりに重点を置きながらトレーニングに励むことになった。

 この日の会議では、従来のバットよりグリップを2ミリ程度細くしたバットも発注。「(指に)しっかり引っ掛かって、抜けていく感じがしない」。スイングを主導する右手のフィット感を得たため、新たな相棒候補として試していく。

■筑後を拠点

 既に肉体改造の効果が表れ、体重も90キロを超えている。自前のスーツは窮屈になり、スタッフの説明を聞く間、同社が手掛ける野球のユニホーム素材を用いた伸縮性の高い「ムーブスーツ」を羽織っていた。「まだまだ物足りないです」。師匠のもとを飛び立つ背番号51は、たまった鬱憤(うっぷん)を晴らすため自問自答のオフを過ごす。  (鎌田真一郎)

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