J1鳥栖、最終節ヒヤヒヤ残留 「育成型」転換へ

西日本スポーツ 松田 達也

 ◆明治安田生命J1最終節 清水1-0鳥栖(7日・IAIスタジアム日本平)

 サガン鳥栖が最終節で薄氷のJ1残留を決めた。前節14位の鳥栖は敵地で15位の清水に0-1で敗れ、最下位の松本に引き分けた16位湘南と勝ち点36で並びながら、得失点差でわずか2点上回って15位となった。試合後、竹原稔社長は金明輝監督の続投を明言するとともに、育成型クラブへの転換、人件費の大幅削減など、J1で9年目となる来季に向けたチーム改革を進める意向を示した。大分トリニータはC大阪に0-2で敗れ、6年ぶりのJ1で健闘した今季を9位で終えた。

■竹原社長が説明

 苦しい1年を象徴する幕切れだった。清水との大一番に敗れた鳥栖。湘南の引き分けを伝えられていた選手たちは、J1残留にも笑顔はなかった。金明輝監督は「残留はできたが、申し訳ない」と複雑な表情だった。

 開幕3連敗、さらに4月から5月にかけての5連敗という絶望的な状況から、5月の監督交代を経てJ1に生き残った。竹原社長は「反省すべき点はたくさんある。この経験を生かしたい」と語り「2020年は育成型クラブに大きくかじを切る」と明かした。

 最近の鳥栖は、竹原社長が「これまでは優勝したいというアプローチをした」と語るように、世界的ストライカーのフェルナンドトーレスの獲得など大型補強を続けた。トーレス加入の時期にあたる18年2月から19年1月期の人件費は前期比約7億6000万円増の約25億円。だが同期は4期ぶりの赤字となった上、優勝争いどころか今季も2年続けて降格の危機に立たされた。

■4期ぶりの赤字

 結果を踏まえ、竹原社長は「来年は身の丈に合った経営をする。クラブとして極端にシフトして予算内でやれる選手と契約し、若手を育てていきたい」と説明。今季のチームを引っ張ったクエンカ、金崎ら主力の去就が今後の焦点となる。

 苦しい残留争いの中でも、下部組織出身で18歳の松岡が23試合に出場して中盤の一角を担う存在となった。27歳で主将の福田のほか、三丸、高丘といった中堅、若手も台頭。そうした選手たちの成長にクラブは大きな期待を寄せている。

 金明輝監督は「クラブが変わらないと、現状は変わらない。安易なチームマネジメントはできない」と先を見据えた。来季は9年目のJ1。残留争いを繰り返さないため、大胆な方針転換で荒波を乗り越える覚悟だ。 (松田達也)

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シュート数3本、3戦連続無得点

 鳥栖は強烈な個の力に打ちのめされた。後半23分、清水のドウグラスに鋭いドリブルから強烈な左足でのシュートを決められた。終盤に追う展開となったが、何とか残留。福田は「不本意だが最低限の結果」と語った。

 清水も残留を目指す状況で、敵地の圧倒的な声援も鳥栖の重圧となった。攻撃では金森のスピード、豊田の高さを生かしきれず、3試合連続無得点。シュートもわずか3本に終わった。

 堅守が持ち味だったチームは、今季はJ1で4番目に多い計53失点。攻守ともに課題は山積している。チームが上位を争った時期を知る豊田は「(残留争いの)順位というのはメンタルにも影響し、難しかった。もう残留争いはしないように」と言葉を絞り出した。

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