ソフトバンク上林「本当はミスってる」ビッグプレーの秘密明かす

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆ソフトバンク2019プレーバック 上林誠知外野手の「分岐点」

 「今年のベストプレーかもしれない」。開幕間もない4月10日の試合直後、上林はそう言った。半年以上がたった今でも、真っ先に脳裏に浮かんでくるほどの分岐点だった。ヤフオクドームでの日本ハム戦。過去3度の盗塁王に輝いている西川を本塁への「レーザービーム」で刺した。

 同点の延長11回無死一、三塁の守備。近藤が打ち上げた打球に対し、助走をつけ定位置やや前方で捕球した右翼手の上林は、本塁へノーバウンドでストライク返球。三塁からタッチアップした西川は回り込んで生還を試みたが、捕手の甲斐が寸前でタッチした。

 近藤さんは必ず外野には運ぶはず、と準備はしていた。走者が西川さんなので本音では(刺すのは)厳しいと思っていたが、想像以上のバックホームだった。これがアドレナリンというやつなのかな。これまでの野球人生で最高の守備だった」。己に厳しい男が珍しく自賛した。

 手応えを隠さなかったのは結果だけを見てのことではない。「2017、18年は補殺で1番になれた。守備は自信を持ってプレーしているつもり」。そう自負する分野で、自身のさらなる伸びしろを強く感じた瞬間でもあったからだ。

 試合後も興奮していたあの日から時間が流れたオフの今。冷静に振り返りながら明かす。「あの時、本当はボールの握りをミスってるんです」。だからこそ手応えも強かったのだ。「自分の中では決して完璧なプレーではなかったと思う。それなのにあれだけのプレーができた。(一層の成長へ)自信にはなった」

 1週間後の4月17日、ロッテ戦で右手に死球を受けた。後に骨折が判明。一時ははしを手にしても痛みが走った。打席では構えただけで「気持ちが折れた」という。結局シーズンを通して苦しみ、ポストシーズンでは出番もなかった。

 リハビリの成果で患部の状態は好転した。あの日感じた自身のさらなる可能性を確かなものにするためにも-。スタメン再奪取を誓い、懸命にトレーニングに励んでいる。 (山田孝人)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ