ソフトバンク高橋純が意識した年上ルーキー「失礼だけどライバル」

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆ソフトバンク2019プレーバック 高橋純平投手の「分岐点」

 プロ入り3年で1軍登板わずか1試合。眠っていた3球団競合のドラフト1位右腕、高橋純の潜在能力を引き出したのは同じく1位で入団したルーキー右腕の存在だった。その象徴が8月18日の西武戦(ヤフオクドーム)。救援リレーした甲斐野と2人で6者連続三振を奪った試合だ。

 1点を追う6回、マウンドに上がる甲斐野の姿をブルペン内にあるテレビで見ていた。大学出の甲斐野は自身より1学年上ながらプロ年数は違う。「失礼だけどライバルというふうに見ている。甲斐野さんが少し疲れていた7月中旬に僕が勝ち試合(リードしている場面)を任され始めた。それからはお互い競った試合で投げることも増え、自然と意識するようになった」

 甲斐野が快調に一つ、二つと三振を奪う。「調子が良さそうだし、これは完璧に抑えそうだな」。その予感通り、打率3割超の1番秋山も空振り三振に切って取り、3者連続三振の完璧な投球を披露した。「よし、俺もやってやる」。登板に向けてギアを上げた。

 続く7回、自身の名前がコールされる。先頭の2番金子侑から5球連続の直球で空振り三振を奪うと、続く森も151キロの真っすぐでバットに空を切らせて三振。最後は中村から低めのスライダーで空振りを奪い、強力打線の上位を狙い通りの3者連続三振に仕留めた。直後の攻撃で味方打線が逆転。自身に3勝目が転がり込んだ。

 「いつもは思っている軌道に球がいくことは少ないけど、あの試合はここに投げたいというところにほぼいった。ベストピッチに近かった」

 背水のマウンドでもあった。この試合の前の登板だった8月15日の楽天戦でプロ初黒星。延長11回に連続申告敬遠の満塁策からサヨナラ打を浴びていた。「次打たれたらファームに落とされるかもしれない」。危機感を抱いた中での快投を「あそこで踏みとどまれたことで『俺はやれるんだ』とすごく自信になった。自分にとっては大きな試合だった」と振り返った。

 開幕はファームで迎えたが、シーズンを終えてみればすべて救援で45試合に投げ3勝2敗17ホールド、防御率2・65。4年目の飛躍の分岐点が8月の西武戦だった。 (長浜幸治)

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