ソフトバンク高橋礼「ダメージはでかかった」新人王が悔やんだ1球

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ソフトバンク2019プレーバック 高橋礼投手の「分岐点」

 飛躍を遂げ新人王に輝いたシーズンでも、高橋礼には消えない記憶がある。9月11日、当時2位の西武に0・5ゲーム差と肉薄されて迎えた最終カード2連戦の初戦。0-0の3回、エアポケットに入った。

 初回は三者凡退、2回は4番中村から3者連続奪三振。最高の立ち上がりを見せたが3回、先頭の山川に安打を許すと、1死二、三塁から秋山に死球を当て満塁とされた。源田はフルカウントまで持ち込まれながらもシンカーで一ゴロ。得点は許さなかった。

 2死までこぎ着け、なお満塁。打席に同学年の森を迎えた。今季のMVPで首位打者となる強敵を相手に初球、自信を持って投げたシンカーだった。ストライクゾーンに入った変化球をすくわれると打球は右翼線を転々。全走者が生還しサブマリンは天を仰いだ。

 「絶好調だったし、ワンバウンドでもいいつもりで投げればよかった。森に打たれて甘さを痛感した」

 初回の対戦でも初球はシンカー。3回の打席より甘いコースだったが、タイミングを外し二ゴロに仕留めていた。相手の技術が上回ったと言えばそれまで。ただ、球種の選択ではなく、その1球に持たせる意味をもっと突き詰めるべきだったとの後悔があった。

 6回3失点。結果だけを見れば先発の役割は果たしたかもしれないが、チームは敗れ79日ぶりに首位の座を明け渡した。「やっぱり西武は強いと思った。2位に落ちた試合だったし、ダメージはでかかったと後から思う。V逸の起点になったのかもしれない」

 滑り込みで開幕ローテ入りし千賀に次ぐチーム2位の12勝(6敗)。初めて規定投球回にも到達した。2年目で十分な働きをしたと言っても過言ではないが、2年続けてリーグ優勝を逃した責任をすべてとは言わずとも感じている。

 「立場や年齢は関係なしに、託されて結果を出せるかどうかが大事。あれがあったからこそもっと活躍したい、そのために練習しないといけないと思えた」

 巨人との日本シリーズ第2戦で7回2死まで完全投球。侍ジャパンの一員としてプレミア12では2勝を挙げた。大舞台で見せた勝負強さは、悔しさを乗り越えて手にしたものかもしれない。(鎌田真一郎)

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