代表第1号「びっくり」柔道・素根輝が五輪を意識した分岐点

西日本スポーツ

 東京五輪は7月24日に開幕し、日本が史上最多金メダル30個を目指す戦いがスタートする。金メダル量産種目として期待が集まる柔道は1964年の東京五輪で初採用。男子のみ4階級だった日本のお家芸が56年ぶりに日本武道館に帰還。男女計14階級と新種目の混合団体が実施される。昨年の世界選手権とグランドスラム大阪を制して柔道代表決定第1号となった女子78キロ超級の素根輝(環太平洋大)に新年の熱き思いを聞いた。(末継智章)

 -柔道界で東京五輪代表第1号に決まった。

 「びっくりというか、第1号になるなんて考えていませんでした。最後まで厳しい闘いになるだろうと思っていた」

 -東京での五輪開催が決まった2013年は中学1年生だった。

 「当時は東京でやるんだ、すごいなとしか思っていませんでした。東京で金メダルを取りたいと漠然と言ってたけど、まさか現実になるとは誰も思っていなかったし、自分も思わなかった」

 -夢が現実になるかもと思えたのはいつ。

 「高校1年の講道館杯。初めて朝比奈(沙羅、パーク24)さんと対戦したとき、投げられたけど初対戦の割には意外と闘えた。そこから五輪を意識しました」

 -五輪で柔道と言って思い出す場面は。

 「(16年)リオデジャネイロ五輪の田知本遥さん。女子70キロ級決勝で抑え込んで勝った瞬間、天井を見上げていた。自分には分からないけど、すごい努力されたんだろうなというのは思って感動しました」

 -常に最重量級は注目される。1964年東京五輪では神永昭夫がヘーシンク(オランダ)に敗れ、衝撃が走った。

 「64年の話は聞いたことがありませんが、ヘーシンクの名前は知っています。今回も(柔道個人の)最終日に最重量級がある。全然想像がつかないけど、ものすごい重圧なんだろうと思う」

 -バルセロナ五輪男子71キロ級金の環太平洋大の古賀稔彦総監督は自分に自信を持てと言った。

 「試合になれば重圧には強いと思っています。中学のころから、試合前に『自分が一番強い』と自分に言い聞かせてきた。いろんな不安があっても、畳に上がれば自分を信じて闘うしかない。自分がやってきた稽古を信じて頑張るだけ」

 -同じ九州出身の最重量級は山下泰裕JOC会長(熊本県出身)もロサンゼルス五輪を制した。

 「ユーチューブで現役時代の映像を見たことがあるけど、誰が相手でも全部投げて勝っていてすごかった。組み手も連続技も全部、隙がない。今までの柔道選手の中でも一番強いのでは」

 -山下会長は公式戦で203連勝したまま引退した。素根選手は現在23連勝している。

 「いやあ…(苦笑)。そこは意識せず、勝っていった先にそういう結果がある。目の前の一戦一戦を闘っていきたい」

 -東京五輪の舞台は日本武道館。昨夏の世界選手権で優勝した。

 「初めて試合をした高校1年の全国高校選手権も女子無差別級で優勝しました。数は少ないけど、日本武道館で負けた記憶はない。相性がいいと思って頑張ります」

 -2020年を漢字1文字で表現すると、どんな年にしたいか。

 「(帯に刺しゅうされた自分の名前を指しながら)やっぱり『輝』ですかね。今年はより輝くように。五輪代表という責任と覚悟を持って臨む。そんなに何度もつかめるチャンスではないので、何が何でも金メダルを取りたい」

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