ソフトバンク内川「新しい経験」 年俸大幅ダウンでも笑顔の理由

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ソフトバンク契約更改交渉(26日)

 福岡ソフトバンクの内川聖一内野手(37)が移籍後初の大幅ダウンにも笑顔でサインした。26日、ヤフオクドーム内の球団事務所で契約交渉に臨み、約38%減の年俸2億5000万円プラス出来高払いで単年契約を結んだ。野球協約の減額制限(年俸1億円超は40%)に2%の“猶予”があったことを「球団の愛情」と表現。来季プロ20年目への準備にシーズン中の8月から着手しており、安打を打つ喜びを思い出したバットマンは新境地に胸を高鳴らせている。 (金額は推定)

■悲愴感なし

 3年連続日本一で“暖冬”更改の波に乗ったかのように、内川は終始晴れやかな表情だった。提示されたのは、野球協約で定められた減額制限に迫る約38%減の1億5000万円という大幅ダウン。それでも会見での表情には悲愴(ひそう)感がまったくなく、逆に時折笑顔さえ見せた。

 「2%残してくれたのは球団の愛情だと思っている。その愛情に恩返しできるようにしたい」

 2010年オフに横浜からフリーエージェント(FA)宣言して加入。移籍後10年目の来季年俸は2億5000万円となった。「大幅ダウンだけど、もらっている額は大きい。これまでやってきたことの証し」。プロ野球現役最多の通算2171安打を誇る37歳のベテランは、移籍1年目だった11年の1億7000万円をはるかに上回る評価をしっかりと受け止めた。

 今季は守備率10割で初のゴールデングラブ賞を受賞した一方、3年ぶりに規定打席に達したものの打率2割5分6厘。右打者史上最高の打率3割7分8厘を記録した横浜時代の08年から7年連続で打率3割をマークした安打製造機が、規定打席に到達して打率3割をクリアできなかったのは15年に続き2度目だった。

 「打つことが前提だったけど、こんなにヒットを打つことや本塁打を打つことがうれしかったんだと、子供のころのような野球の喜びを思い出した。打てなかったことはチームにとってもマイナス。でも、自分の人生にとってはプラスにもなる」

 当然ながら、今季の成績に納得しているわけではない。「無意識にできていたことができなくなったり、考えないとできなくなったりした」と、感覚と肉体のズレが自身の中で生じていたという。そのズレを修正し瞬間的に力を発揮するため、シーズン中だった8月から既にトレーニングに着手している。

 目の前に突き付けられた現実も「新しい経験」として受け入れる。その上で「目標は(打率)3割ではなく、やっぱり10割」とバットマンとして掲げる理想を追いかけ、20年目にして新たな世界を切り開く。 (鎌田真一郎)

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