河村、集大成見せた W主将が躍動 福岡第一

西日本スポーツ 松田 達也

 歓喜の抱擁はライバルが相手だった。福岡第一の河村は勝利の直後、福岡大大濠の選手たちと健闘をたたえ合った。「しのぎを削ってきた大濠のおかげで強くなれた」。史上初となった福岡対決の決勝。司令塔の河村は冷静に試合をコントロールした。

 序盤から優位に展開しながら、河村は守備の意識を重点に置いていた。「横地を乗せたくなかったし、木林のシュートも警戒していた」。守備で味方をフォローし、31得点と大爆発したクベマジョセフ・スティーブ(3年)を支え、自身は10得点ながらチーム最多の11アシストを記録した。

 年代別の日本代表にも選出される河村が、大きく成長するきっかけになったのは1年生で出場した2017年度大会の準決勝、福岡大大濠に敗れた一戦だった。「自分のスタイルを全て否定された気がした。あんな屈辱的なことはなかった」。宿舎に戻り、先輩の励ましを受けても涙は止まらない。この悔しさを胸に刻み、そして自分を見つめ直して練習に取り組んだ。ライバル校のエース横地は「あの準決勝から河村は変わった」と振り返る。

 今年は舞台が決勝に変わり、自身も3年生。小川とのダブル主将で部員78人をまとめながら、エースとして勝利に貢献した。主要な公式戦で福岡大大濠には8戦全勝。「2年前の借りを返す試合と思っていた」

■バスケの道へ五輪も視野

 描いていた将来像も変化した。入学前は教師を目指していたが、現在の目標は「バスケでご飯を食べていきたいし、日本代表になって世界と戦いたい」と言い切る。幼少期に繰り返し映像を見たマイケル・ジョーダンや田臥勇太らスター選手のプレーを体現するようなノールックパスなどで観客を魅了した令和のニューヒーロー。卒業後は東海大に進み、将来はプロでのプレーだけでなく、24年パリ、28年ロサンゼルスの両五輪への出場も見据える。

 歴史的な福岡対決を終え、試合後に福岡大大濠の2年生から「第一を倒します」と言われたという。「やってみろ、と言っておきました。1、2年生はまだまだだけど、能力は高いから」。3連覇の夢は後輩に託し、最高の結果と笑顔とともに、新しい挑戦へと踏み出す。 (松田達也)

■小川立ち上がりから鋭い動き

 小川が河村とのダブル主将として連覇へ貢献した。準決勝で序盤からリードを許した反省もあり、立ち上がりから攻守に鋭い動きだしを見せた。「準決勝では迷惑を掛けてしまった。スタートからの出だしが悪かったので、決勝は最初からしっかりいこうと話していた」。河村とチームをまとめた1年について「2人ともリーダーシップをとる性格じゃないけど、自覚を持ってやった」と振り返った。

 ◆神田壮一郎(3年)「前回優勝して新チームになってから、自分に何ができるか考えて、全力でコートを走りきろう、と心掛けてきた。この大会でそれができた」

 ◆内尾聡理(3年)「主将の2人が自分らしくやれ、と声を掛けてくれた。自分にできることを考えて、やってきた。いろんな人に支えられて優勝できた」

 ◆クベマジョセフ・スティーブ(3年)「リバウンドとブロックショットは成長できた。絶対に優勝すると思ってきた。100パーセントの力を出し切れた」

 ◆ハーパージャン・ローレンス・ジュニア(2年)「3年生は努力してきた。優勝するのも当たり前。来年は日本一走るチームと言われたい」

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