慎太郎「賞金王」 グランプリ 【立川】

西日本スポーツ

 令和最初のGPは大荒れ決着-。2019年最後の大一番「KEIRINグランプリ(GP)」が立川競輪場であり、4番車の伏兵・佐藤慎太郎(43)=福島・78期・SS=が、目標にした新田祐大の後位から中をこじ開けて強襲。逃げ粘る脇本雄太をゴール前できわどく逆転し、13年ぶり5度目の出場で初制覇を達成した。3着はBS8番手から鋭く追い込んだ平原康多で、脇本の番手を奪った新田は伸びを欠き4着。3連単(4)(3)(8)の払戻金14万3920円(410番人気)はGP史上で2番目の高配当決着となった。GPシリーズ3日間の総売上額は119億287万円(目標額120億円)で、昨年の112億8579万円を大幅に上回った。

■ヒーロー

 今大会最年長が、いぶし銀の差し脚で頂点を奪い取った。13年ぶりに出場した大舞台で初制覇。「調子が悪い時期でも、もうだめだと思ったことはない。諦めずにやってきて良かった」。時代が平成から令和に変わり、若い力が台頭してきた中で、ようやく大輪の花を咲かせた。

 表彰式から検車場に引き揚げても「信じられない。実感がわかない」。それもそのはず、今年の優勝はF1で1度あるだけ。ビッグレース準Vは3回で、戦前は「今年の自分は2着の選手。2着でいいわけはないが、それくらいの気持ちでリラックスして走る」と落ち着いて臨んだ。レースでは、脇本の番手を奪って捲り追い込みを試みた新田を、ピタリと追走した。

 脇本と新田。ナショナルチームの主力で圧倒的脚力を誇るその2人の間を、4角で突いた。日頃「追い込み選手なんて、G1決勝では絶滅危惧種だよ」と自嘲気味に話す脚質で賞金王。脚力偏重となりつつある競輪界で、技術や経験の大切さを結果で教えてくれた。

 努力家であるとともに、報道陣にも爆笑トークを繰り広げるエンターテイナーだ。ファンに対してのサービスも怠らない。沖縄に練習拠点を構えており、沖縄勢とのトレーニングで九州勢の底上げにも一役買うなど多方面に影響力のある選手。それだけに、最後に言い残したのは「調子が悪く、慎太郎はもう終わったんじゃないかといわれたときでも応援してくれた皆さんと喜びを分かち合えることがうれしい。引き続き応援よろしくお願いします。これ、書いておいてね」とファンに感謝。そんな男がGPユニホームを着て競輪界を引っ張っていく2020年は、きっと明るい未来が開けている。 (野口雅洋)

PR

競輪 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング