タックル数W杯6位、日本代表ムーアが明かすヘッドキャップの秘密

西日本スポーツ

 国内を熱狂に包んだ昨秋のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の追い風を受けて、熱がさめやらぬ中、12日からトップリーグ(TL)が開幕する。日本代表として全5試合に先発し「タックルの鬼」と化し、史上初の8強入りの原動力となったロックのジェームス・ムーア(宗像サニックス)が昨年末、西日本新聞の単独インタビューで語った。改めて振り返ったW杯の思いや、トレードマークとなっているヘッドキャップの秘密などを明かした。(取材・構成=大窪正一)

 -W杯イヤーが終わっても熱気が続いている。
「ラグビーW杯期間中の応援は、自分が今まで味わったことのない経験だった。あそこまで応援してくれる国は、日本しかないのではないか。母国のオーストラリアはあそこまで熱烈ではない」

 -昨年12月の東京・丸の内のパレードに参加した。
「特別な瞬間だった。ファンの方々がたくさん来てくれて、とても感情が揺り動かされる体験だった。とてもうれしかっし、感動した。こんなにたくさんの方々が日本のラグビーを支えてくれていると心強かった」

 -日本代表を選んでよかったか。
「W杯は人生の中で誇りに思う瞬間。日本人ではないが、日本を代表して日本代表として戦えたのが、うれしい」

 -印象に残っている日本代表のトライは。
「スコットランド戦の稲垣選手のトライ。とても特別な瞬間だった。日本人の堀江選手から、オーストラリ・ブリスベン出身の僕につながれて、そして同じブリスベンの同じ高校出身のトゥポウ選手へとつなぎ、最後はまた日本人の稲垣選手へとつながれた。違う国の人たちがボールをつなぎ、トライをした。ワンチームを体現した象徴的なプレーだったと思う」

 -W杯では、出場チーム全体で6番目のタックル数を記録した。猛タックルを見舞い続けられた理由は。
「(手で胸をたたき)全てはメンタルが一番だと思う。通常の試合の上にW杯の試合がある。あれ以上の晴れ舞台はない。W杯に向け、身体的なものを強くするのは限界があるかもしれないが、メンタルはどんどんレベルアップできる。『何も怖くない、人生のすべてをこのW杯にかけられるぞ』という思いだった。体重が120キロ級の大きな選手が自分に向かってくる。それに対して、怖い、逃げたいと思った瞬間、相手が自分の上を踏みつけていってしまうことになるだろう。立ち向かうメンタルが一番大事になる」

 -自らが大切にしている座右の銘は。
「『自分を信じる』。それがないと何もできない」

 -ヘッドキャップ姿がトレードマークだ。かぶらない選手も多い中で、なぜ必ず着用するのか。
「私のお母さんがそれを見ることで(安全面で)安心します(笑)。スクラムの時に耳がこすれて形が(餃子のように)つぶれずに保たれますし。ラグビーを始めた小さな頃からかぶっているが、好きなものにたどり着くまではいろいろ試した。W杯で使ったものがベストで実は特注品です。他の選手が使う普通のヘッドキャップは、一層の材質だが、私のものは、特殊な違う材質のもので5層にしている。軽い脳しんとうにも対応できる点でもお気に入りでかぶっている」

 -W杯後、日本代表が解散し、所属の宗像サニックスに戻るまでは何をして過ごしていたのか。
「彼女と旅行に行っていた。日本から台湾、台湾からフィリピン、フィリピンからスリランカ。すごくリフレッシュしできた。W杯中に、家族や親族は日本に観戦に来てくれていたので、母国のオーストラリアには帰らなかった」

 -12日からTLが始まる。今季は九州唯一のTLチーム。初戦は福岡市のレベルファイブスタジアムでNECを迎える。
「メンタルはとてもリフレッシュした。筋力強化、ランニングもして体力を戻していく。いいシーズンになる自信がある。TLの試合が福岡で始まるので(会場に)会いに来てほしい」

◆ジェームス・ムーア   1993年6月11日生まれ。オーストラリア・ブリスベン出身。10歳でラグビーを始める。ブリスベンステート高出身。13人制ラグビーも経て21歳で15人制に転向。2016年に来日し東芝、18年にスーパーラグビーの日本チームサンウルブズに呼ばれ、所属も宗像サニックスへ。195センチ、102キロ。

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