神村学園の16歳GK吉山「判断に迷ってしまった」唯一の失点に涙

西日本スポーツ

 ◆全国高校サッカー選手権2回戦 神村学園0-1富山第一(2日・浦和駒場スタジアム)

 3大会連続出場で、2006年度大会以来となる4強以上を目指した神村学園(鹿児島)の「冬」が終わった。13年度大会覇者、富山第一(富山)の強固な5バックを打ち破れずにタイムアップ。有村圭一郎監督(42)は「3年生たちは粘り強く、よく引っ張ってくれた。下級生たちにとってはいい経験になった」とねぎらった。先発に2年生が5人。そのうちの一人、GK吉山太陽は敗戦後、悔し涙が止まらなかった。

 試合後の整列に向かう途中、吉山は顔を覆ったまま号泣した。富山第一の選手から肩をたたかれ、自チームのMF軸丸広大主将(3年)からは「ありがとうな」と感謝の言葉を掛けられた。17年度大会優勝の前橋育英(群馬)を倒した初戦は0-0からのPK勝ち。好セーブでチームの窮地を救い、PKでは執念のストップで強豪撃破に導いた。この日も味方選手がゴールネットを揺らせない展開の中、我慢強く守った。

 唯一の失点は最も警戒していたという早い時間帯でのセットプレーから奪われた。前半16分のCK。「(DFに)任せるか、自分で体を張ってニアでつぶしにいくか迷ってしまって…。自分で(ボールを)はじいた方が確実なので。そこの判断に迷ってしまいました」。180センチの相手長身選手に頭でタイミング良く合わされた。先制点を許したことで、さらに富山第一がさらに守りやすくなったことを吉山は悔やむ。「2点目は絶対に与えないと、体を張ったんですが…」。後半に入って交代選手を投入するなど神村学園は攻撃の活性化を図る。後半だけでエースの浜屋悠哉(3年)が3本のシュートを放つなど相手ゴールを何度も脅かしたが、富山第一の組織的な守備に阻まれた。

 吉山は島根県出身。「高いレベルでやりたかったから」と鹿児島の神村学園中にやってきた。中高一貫教育の環境にも鍛えられ、着実に成長。19年夏の全国高校総体では3回戦で尚志(福島)にPK負けを喫したが、選手権の大舞台では前橋育英を相手にPK勝ち。PKに対する苦手意識を払拭(ふっしょく)した。決して大きくないサイズ(172センチ、65キロ)を補うためプレースピードを意識。「普通にせービングをしても(横の)幅がないので止められない。ワンステップで跳ぶのではなく、小刻みにステップを入れるようにしています」。縦にシンプルながら速くて高さもある富山第一の攻撃にもひるまず、1対1の大ピンチでも落ち着いてシュートを防いだ。全国区の強さをあらためて肌で感じ、勝ち進む難しさも知った。16歳の守護神は「神村学園の太陽」となって、もっと強く、もっとまぶしく光り輝く。(西口憲一)

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