ソフトバンク2位海野が大学時代に見た「衝撃的なボール」投げたのは

西日本スポーツ

 ソフトバンク2020新人紹介 ドラフト2位・海野隆司(下)

 4年連続日本一を目指すソフトバンクに12人(支配下5人、育成7人)のルーキーが入団した。球団では41年ぶりに外野手の1位となった佐藤直樹をはじめ、支配下選手は社会人、大学生の即戦力候補が4人。1年目の活躍も期待される顔ぶれとなった新人たちの横顔を紹介する。(文中敬称略)

(上)からつづく

 兄の言葉が海野をプロの世界へ導いた。首都大学リーグの強豪、東海大で1年秋から公式戦出場を果たすと、2年春には捕手のレギュラーを獲得。順調なスタートを切ったかに見えたが直後に落とし穴が待っていた。2年秋、リーグ戦で7打数無安打と極度の打撃不振に陥り、リーグ戦出場はわずか4試合。レギュラーの座も失った。

 普段は周囲に弱音を吐くことなどない。そんな海野がすがりついたのは、4歳上の兄敦司(25)だった。「あのころは『全然打てん』『また試合に負けた』。そんなメッセージがたびたび来ていましたね」。敦司はどん底に沈んでいた弟を常に励ました。「僕は社会人まで野球をやったけど、あんなに守りのレベルが高いキャッチャーを見たことがない。守備は絶対に評価されているんだから、そこに自信を持ってやっていけ、と」

 その一言で光が差した。年が明け、迎えた3年春のリーグ戦。前年秋の不振がうそだったかのように海野は快音を連発した。レギュラーの座を奪い返し、打率3割3分3厘で初の首位打者、ベストナインを獲得。苦難を乗り越えた先に待っていたのはさらなる朗報だった。大学日本代表選出。同世代で最高の人材がそろった中、運命的な出会いが待っていた。

 「1学年しか違わないのに、とにかく衝撃的なボールだった。こういう人がプロに行くんだなと思った」。自身のミットを激しくならす豪腕の正体は、当時東洋大4年の甲斐野だった。甲斐野はその年秋にドラフト1位で指名されソフトバンク入り。「今までは遠い夢でしかなかったプロの世界が、身近に感じられるようになった」。これまでおぼろげだった夢が明確な目標になった瞬間だった。

 そこからは大学ナンバーワン捕手への道を一気に駆け上がった。二塁送球タイムはプロでもトップレベルとされる最速1秒73をマーク。チームの4番も任され、4年秋のリーグ戦まで4季連続でベストナインに選ばれた。「自信がついたというか、一気に変わりましたね」と敦司はわがことのように喜んだ。海野は言う。「理想は打てて守れる捕手。いつかは(元ソフトバンク捕手の)城島(健司)さんのような圧倒的な存在になりたい」。座右の銘“感謝”を胸に刻み、プロの世界へ飛び込む。 (長浜幸治)

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