ソフトバンク4位小林「やれるかも」プロへの自信深めた奥川撃ち

西日本スポーツ

 ソフトバンク2020新人紹介 ドラフト4位・小林珠維(下)

 4年連続日本一を目指すソフトバンクに12人(支配下5人、育成7人)のルーキーが入団した。球団では41年ぶりに外野手の1位となった佐藤直樹をはじめ、支配下選手は社会人、大学生の即戦力候補が4人。1年目の活躍も期待される顔ぶれとなった新人たちの横顔を紹介する。(文中敬称略)

(上)からつづく

 全国制覇2度を誇る硬式チーム、札幌新琴似シニアには日本ハムジュニアのチームメートも顔をそろえた。試合に出られる保証はない。レベルの高さに覚悟を決めた時、技術とはかけ離れた理由で競争からふるい落とされた。

 シニアに入ったばかりの中1を対象にした肘の検診で異常が見つかった。すぐに病院へ。検査で撮影した画像を見た医師が声を落とした。「壊れています」。離断性骨軟骨炎。いわゆる重度の野球肘だった。画像の肘に映っていた空洞を小林は自分の目で確認した。「これで終わりかな」。希望が打ち砕かれた。

 13歳になって間もない6月。左膝の軟骨を右肘に移植する手術を受けた。全治6カ月。メスを入れても、すぐに痛みが和らぐことはなかった。本格的に野球ができるようになったのは、北海道の長い冬が明けてからだった。

 飢えていた野球への欲求が才能を呼び起こす。中学生ながら最速139キロをマークし「3番投手」でチームを全国大会へ導いた。全国の強豪校から誘いを受ける存在になった。その中で選んだのは東海大札幌高。「縦じまのユニホームで、北海道から甲子園に行こうと思った」。ここでも兄由來の背中を追った。

 期待を一身に背負ったスーパー1年生。しかし、またも壁にぶつかる。秋にメンバー入りしたものの2年夏はベンチ外。不振から試合に出られない時期もあった。「何もかもうまくいかず、野球をやりたくなくなった」。自暴自棄になっていた。

 それでも投げては最速151キロ、打っては高校通算37本塁打の才能は隠しきれるはずがない。3年春、Uー18(18歳以下)高校日本代表の1次候補に選ばれた。合宿の紅白戦で岩手・大船渡の佐々木朗希(ロッテ)が出した163キロをベンチから目の当たりにした。「こういうのがプロに行くんだなと。狭い世界で野球をやっていた」。自信があった投手としての能力の違いは素直に受け入れた。

 一方で打撃は自信を増した。石川・星稜の奥川恭伸(ヤクルト)との対戦で、狙いすまして捉えた直球を鋭いライナーで中堅へ運んだ。「やれるかもしれない」。最後の夏は南北海道大会準決勝で登板することなく涙をのんだ。バット一本で勝負する世界で、ライバルたちと“再会”を果たす。 (鎌田真一郎)

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