ソフトバンク育成1位が佐々木朗希にド緊張 初対面で聞いた言葉は

西日本スポーツ

 ソフトバンク2020新人紹介 育成1位・石塚綜一郎

 4年連続日本一を目指すソフトバンクに12人(支配下5人、育成7人)のルーキーが入団した。球団では41年ぶりに外野手の1位となった佐藤直樹をはじめ、支配下選手は社会人、大学生の即戦力候補が4人。1年目の活躍も期待される顔ぶれとなった新人たちの横顔を紹介する。(文中敬称略)

 自宅近くの公園でのキャッチボールが、一人っ子の石塚にとって野球の原風景だ。幼稚園のころから練習相手は祖父有孝。母子家庭で昼夜問わず働きづめだった母順子の代わりに、有孝と4年ほど前に亡くなった祖母栄子に身の回りの世話をしてもらった。

 秋田市東部、山あいにある岩見三内小は1学年12人で男子は6人。岩見三内中に進むと全員が野球部に入った。決して強くないチームにあって石塚の能力は抜けていた。「いつかプロ野球選手になると言い続けた。言うのが恥ずかしくなる時期もあったけど、そこはぶれなかった」

 1年の冬、強く引き留められながら一人中学の野球部を離れ、硬式チームの秋田南シニアに入団した。ここでも送り迎えをしてくれたのは有孝だった。中学生ながら11本もの本塁打をスタンドに放り込み、県外の強豪私立高からも誘いがかかる存在になった。

 投手、捕手、内野手とあらゆるポジションを任された。「憧れはずっと(巨人の)坂本勇人選手。(青森の)光星学院に行きたいとも思ったけど、母に苦労をかけたくなくて…」。球界を代表する遊撃手を生んだ高校も選択肢にあったが、選んだのは岩手の黒沢尻工業高。公立であり、ベストナインに2度輝いた細川亨(ロッテ)を青森大時代に指導した石橋智が監督だったことも決め手になった。

 高校でも入学間もなく試合に出始めたが、チーム事情から本格的に捕手に打ち込めるようになったのは2年の秋から。練習中、石橋からは「細川はできていたぞ!」と現役プロのベテラン捕手と比較されながら技を磨いた。

 高校通算39本塁打。最後の夏は岩手大会の準決勝で敗れた。ベンチを去る際、ロッテに1位で入団した大船渡高の163キロ右腕、佐々木朗希とすれ違った。面識も対戦歴もなかったがドラフト後、野球部長の計らいで佐々木と対面する場が設けられた。

 岩手の沿岸部を車に揺られること1時間半。いざ佐々木を目の前にすると緊張で会話がたどたどしくなった。「自動車学校の(教習)後も『俺は走らないといけない』と言っていた。意識の高さが分かった」。世代最強の存在に刺激を受けて飛び込むプロの世界。「活躍して稼いで、母と祖父を楽にしてあげたい」。夢の舞台が家族孝行の場となる。(鎌田真一郎)

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