さらば博多のMC番長、「地獄」経て磨いたトーク HKT田中菜津美が卒業 (2ページ目)

西日本スポーツ 古川 泰裕

 ◆時に仲間とぶつかり合いながら

 磨き上げたMCは、苦い経験の上に築かれている。活動開始当初、1期生だけで上演していた「手をつなぎながら」公演。植木南央や若田部遥らとともに担当していたユニット曲「チョコの行方」直後のMCが全く受けず、客席が静寂に包まれることもしばしばだった。ファンだけでなくメンバーも「地獄」と振り返る状況を打破するため、スタッフや仲間と、時にはぶつかりながら試行錯誤を重ねた。

 AKB48から経験豊富な指原莉乃多田愛佳が移籍してきたことにより公演のMCは大幅に改善されたが、自ら考えた経験があったからこそ、その後の成長につながったのだろう。

 卒業発表後は後進育成のため、劇場公演終盤に織り込まれるトークの先導役を、後輩に持ち回りで担当させた。

 1月9日の公演では、その日の先導役だった伊藤優絵瑠らが舞台裏で「(田中が)汗をほとんどかいていない=手を抜いているのではないか」と指摘してきたと自ら〝暴露〟。汗があまり出ない体質の田中が持つ、ファンにはおなじみのネタの一つだった。初々しさが残る後輩に助け舟を出しながら、きっちり爆笑をさらう。会場に足を運んだファンを楽しませることを決して忘れなかった。

 たぐいまれなトーク力は、17年のAKB48選抜総選挙でも光った。50位と、ついに初ランクインを果たした。涙ぐみながらマイクを手にした。

 「自分で10票入れたと言っていましたが、実は100票入れていました」

 緊張で張り詰めた会場に起こした笑いの渦は、本当に見事だった。

PR

HKT48 アクセスランキング

PR

注目のテーマ