主将がチーム落ち着かせ、東九州龍谷8大会ぶりV王手 春高バレー12日決勝

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 宿敵倒してV王手! バレーボールの全日本高校選手権(春高バレー)は11日、男女の準決勝があり、女子は東九州龍谷(大分)が3連覇を狙った金蘭会(大阪)を3-2で破り、8大会ぶりの優勝に王手をかけた。前回まで2大会続けて決勝で敗れた相手に対して、2年生エースの室岡莉乃が両チーム最多の36得点。荒木彩花主将(3年)も11得点を挙げた。12日の決勝では古川学園(宮城)と対戦する。男子の決勝は東山(京都)と駿台学園(東京)の顔合わせとなった。

 フルセットの激闘を制した直後、東九州龍谷の荒木主将は金蘭会の宮部愛芽世主将(3年)と抱き合った。昨年の世界ジュニア選手権では、ともにU-20(20歳以下)日本代表として戦った仲。「日本一になってね」とのメッセージを受け取り「短いけど、重い言葉。愛芽世のためにも金蘭会のためにも(決勝は)勝ちたい」と決意を新たにした。

 東九州龍谷は金蘭会と前々回、前回と決勝で対戦し、いずれも敗戦。「三度目の正直」を目指した今回も苦しんだ。1-1で迎えた第3セットの終盤、宮部にアタックを次々と決められ、このセットを落とした。ただ崖っぷちに立たされても崩れなかったことが、1年間の成長だ。

 荒木は「焦らないで」と声を掛けてチームを落ち着かせ、宮部に対する守備も修正。「クロスを抜かれていた。途中からコースを絞らせ、ストレートにきたボールにレシーブで対応した」。第4、5セットはブロック、レシーブが連動し、超高校級エースを止めた。

 身長184センチの荒木がブロックで気を吐けば、162センチの小さなエース室岡も躍動した。両チーム最多の36得点。「金蘭会はブロックが高くて形もいい。(ネットの)9メートルの幅を使い、トスを伸ばして打っていくことが大事」。小柄ながら、ジャンプの最高到達点はチーム内で荒木に次ぐ297センチ。驚異の跳躍力に加え、緩急を駆使した多彩なアタックで立ち向かい「今年は楽しめたゲームになった」と笑みがこぼれた。

 リベロを除く先発メンバーの平均身長は東九州龍谷の168センチに対して金蘭会は174センチ。6センチも高い相手に、粘りのレシーブと高速コンビバレーで競り勝った。若手世代の日本代表監督となった前任の相原昇氏からチームを引き継いで1年目の竹内誠二監督も「(相原氏と)一緒にやってきたバレーは間違っていない」と手応えを感じている。試合前に「伝説をつくってこい」と選手たちを送り出した指揮官は決勝に向け「センターコートには忘れ物がある。この勝利を自信に臨みたい」。新たな「伝説」を打ち立てるまで、あと1勝だ。 (伊藤瀬里加)

■小さなエース室岡最多36得点 佐村ら1年生躍動

 荒木主将とエース室岡の二枚看板だけではない。センターコートに初めて立った1年生も躍動した。先発にセッターの新改星南(せな)、レシーバーの栞南(かんな)の双子の姉妹が名を連ね、アタックでは佐村真唯が室岡の33得点に次ぐ17得点、折立湖雪も16得点と奮闘。「サーブで狙われるのは分かっていました。でも、逃げたら駄目だと自分に言い聞かせました。荒木さんも『大丈夫だから』と励ましてくれて…」と佐村は試合後に安堵(あんど)の涙を流した。室岡と同じ福岡・上毛中出身。「見ている方を感動させる東龍のバレーに憧れていました。ここまで来たら日本一を」と“伝説の継承者”になることを誓った。

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