バスケ3人制女子代表、五輪出場の「切り札」は競技歴1年未満

西日本スポーツ 西口 憲一

■都内で強化合宿スタート

 東京五輪で初めて採用種目となる3人制バスケットボールで出場を目指す女子日本代表の強化合宿に大学生で唯一参加しているのが永田萌絵(東京医療保健大4年)=長崎商高出身=だ。15日に東京都内で始まった合宿ではWリーグの選手に交じってプレー。機動力を生かした攻守でアピールした。当初男女とも得られる見通しだった開催国枠は男子にしか認められず、女子は現状五輪の出場権がない。1年に満たない3人制の競技歴ながら、3月以降の予選で出場切符をつかみ取るための「切り札」となり、真夏のTOKYOでシンデレラストーリーを完結させる。

■インカレ3連覇2年連続MVP

 年が改まって1センチ伸びた身長が飛躍を暗示している。永田が初めて3人制の強化合宿に招集されたのが昨年の3月。1年足らずで五輪が手に届くところまできた。「相手とのコンタクトで負けない。2点シュートの精度を磨く」。二つのテーマをクリアし、五輪予選突破の原動力になる。

 東京五輪の出場枠は男女各8チーム。女子はロシア、中国、モンゴル、ルーマニアが出場を決めている。世界ランキング10位の日本には開催国枠が適用されず、3月にインドで開催される予選で、まず3チームに与えられる出場権の獲得を目指している。予選に臨むメンバーは合宿に参加している9人から選ばれる。予選突破を果たし、晴れて「日の丸」を背負えるのは4人。コートに立つのは3人だ。顔立ちは癒やし系でも「絶対に代表になる」と力強い。

■競技歴1年足らず

 所属の東京医療保健大では鋭いドライブを武器に全日本大学選手権(インカレ)3連覇の立役者となり、2年連続の最優秀選手賞にも輝いた。大学女子バスケ界の「顔」になった一方で、昨秋にあった3人制のU23(23歳以下)ワールドカップ(W杯)では女子日本代表の初優勝にも貢献した。代表のトーステン・ロイブル・ディレクターコーチ(DC)は永田の才能を「奇跡」と絶賛。「初心者から経験を積み、U23での活躍はセンセーショションだった。恐れを知らず、何でもやってやろうというポジティブなメンタルの持ち主」。この日の合宿でも賛辞の言葉を並べた。

 3人制のコートは5人制の片面でゴールは一つだけ。躍動感あふれる激しい攻守が観客を魅了する。「スピードをパーセンテージで表すなら50から100になるのが5人制で、3人制は0からいきなり100。最初の一歩で勝つことを意識している」と永田はうなずいた。その一歩に磨きをかけるため、大学では女子日本代表(5人制)のアシスタントコーチも兼ねる恩塚亨監督の助言で瞬発力を高めるトレーニングにも取り組んだ。「私が海外の選手に勝てるのは機動力」。自らの強みを知り、信じ抜く力こそ22歳の最大の武器だ。 (西口憲一)

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