鹿児島城西初聖地 元タカ戦士佐々木監督「旋風を」

西日本スポーツ 前田 泰子

 第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場校32校を決める選考委員会が24日、大阪市内で開かれ、九州地区からは昨秋の九州大会4強の4校の出場が決まった。福岡ダイエー、西武などで活躍した佐々木誠監督(54)が指揮を執る鹿児島城西が春夏通じて初の甲子園出場を決めた。豊富な投手力を誇る創成館(長崎)は2年ぶり4度目だ。明豊は2年連続4度目、大分商は23年ぶり6度目。大分県から2年連続で2校が春の甲子園に挑む。

 戦力以外の要素を加味する21世紀枠は帯広農(北海道)磐城(福島)平田(島根)の3校が選出された。2018年に春夏連覇した大阪桐蔭は3季ぶり、昨夏準優勝の星稜(石川)は3年連続14度目の出場となった。磐城は46年ぶり、鶴岡東(山形)は41年ぶり出場となった。中京大中京(愛知)は31度目、県岐阜商は29度目の出場。

 今大会から「1人の1週間の総投球数を500球以内」とする投球数制限が実施される。

 組み合わせ抽選会は3月13日に行われる。

就任3年目快挙

 「マコト、マコト」。選手たちの「誠コール」に応え、佐々木監督がおどけながら輪の中に飛び込んだ。選手たちの手で宙に舞い、感激が頂点に達したのか指でそっと目頭を押さえた。「ちょっと涙腺が緩んで」と日焼けした顔をほころばせた。

 就任して3年目でチームを聖地へ送り込むことができた。「ミッションを達成できてうれしい」。素直な思いだ。プロの現役時代は首位打者、2度の盗塁王のタイトルに輝いた。日米野球でも活躍して「メジャーに最も近い男」という形容詞まで付いた。そんな超一流選手がプロ、社会人野球の指導者を経て高校生に自身の技術、経験、野球への思いを注ぎ込む。佐々木監督ならではの指導法が才能を伸ばし、創部67年目で初の甲子園出場を果たした。

 監督に就任すると目線を一気に高校生のレベルにまで下げた。「できなくて当たり前」。上から押しつけるような指導はせずに選手自身に考えさせる。今年の冬季練習では選手に課題を与えると、練習方法やメニューは選手に任せた。「指示待ちの選手にならないように」。プロの指導で、自分で考えられず頭ごなしに怒られて野球を辞めた選手をたくさん見てきた経験があるからだ。

練習では音楽も

 佐々木流の意識改革がある。就任当初に選手の希望を聞き入れて髪形を自由にした。炭酸飲料やスナック菓子も解禁。選手に判断させる。練習ではプロのように音楽を流す。

 一方で、遅刻や提出物の遅れなど規律を守れなかった選手には厳しく、五厘刈りのペナルティーがある。罰を受けたと周囲に勘違いされないように、部内には「長さ5ミリ以下の丸刈りは禁止」という高校野球では珍しい規則もある。古市龍輝主将(2年)は「髪形が自由なのでほかの学校からチャラいと見られていたこともある。でも野球をしっかりやればいいという気持ちになった」と野球への責任感がより強くなったと明かす。

 令和初の選抜大会で初の甲子園出場。「城西旋風を起こして、君たちの成長する姿を見たい」。佐々木監督は選手に呼びかけた。鹿児島城西ナインが甲子園で新たな風を吹かせるかもしれない。 (前田泰子)

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