大逆転V逸で緊張感…ソフトバンク工藤政権で初の異例措置/復刻
◆日めくりソフトバンク 誕生15周年
ソフトバンク球団は今年が15周年。球団がソフトバンクとなった2005年からの宮崎春季キャンプを、過去の西日本スポーツ掲載記事で振り返ります。17年1月31日は工藤監督と、新任の達川ヘッドコーチがナインへ、V奪回への決意を込めた訓示を行いました(年齢などは当時)。
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過去2年間行われていた宮崎市内での歓迎パレードは、当然ない。空港から宿舎に直行して、そのまま行われた全体ミーティングは、緊張感に包まれていたという。挑戦者に白い歯は似つかわしくなく、壇上の工藤監督は覚悟を決めたように、選手へ語り掛けた。
「厳しいキャンプになる。(それぞれの選手への)課題は(昨年の)秋に渡してある。それをクリアできているか、の確認から始まる。向上心を持って明日からの練習に取り組んでほしい」
どんなに力があっても頂点に立てなかったことを、昨季は嫌というほど思い知らされた。自分たちの取り組みが正しかったことを証明するには、勝たなければいけない。だからこそ、チーム全員が同じユニホーム姿で「2・1」のグラウンドに立つ前に、どうしても伝えておきたかった。
必勝を祈願した前日の1月30日には「練習というより、生き残りが厳しくなる」と明言。調整ペースを熟知したベテラン、実績組の多くがB組に入り、育成を含めたフレッシュな顔ぶれをA組に抜てき。チャンスを与えるのと同時に、練習内容や日々の生活面など細部にまで目を光らせる。
主力は対象外だが、A組に入った1軍での実績のない若手選手には門限が設けられる。練習日は午後10時半で、休前日は深夜0時。ホークスの1軍宿舎に明確な形で門限が設けられるのは“異例”だ。体力回復のための十分な睡眠時間を確保させるのはもちろん、それ以前に自己管理できなければ厳しい競争など勝ち抜けないという、工藤監督のメッセージでもある。
チーム力を高めるために、就任以来重要視してきたコンディション維持にも一層気を配る。今キャンプから電子カルテを用いて日々の体重変動や脈拍などを管理。長丁場のシーズンを通して故障がなく、安定したパフォーマンスを発揮し続けるための土台を宮崎の地から形成していく。
「今日できることを明日に延ばさないように」と、妥協なき姿勢を選手に求めた工藤監督は、訓示をこう締めくくった。「勝たなきゃいけない時に勝つ、そんなチームを目指していこう」。夏場以降激しく猛追してきた日本ハムとの直接対決に敗れ、覇権を手放した悔しさ、屈辱は忘れてない。ここぞの局面で勝利をつかみ取る骨太軍団を、鬼となってつくり上げる。(倉成孝史)
○…ミーティングでは新任の達川ヘッドコーチが工藤監督に続き、5分超の“講話”を行った。「『就任しました』いうあいさつだけじゃ。あとは監督の補足。それから、直接言いにくかったら私に言ってくれ、対応できるようにさせてもらう、とな」。報道陣への説明は簡潔だったが、内容はもっと多岐にわたったようだ。「練習はウソをつかない」といったメッセージや、「同じぐらいの能力のやつがおったら、あいさつをしない方は使わない」とマナーを説く場面もあり、「出迎え3歩、見送り7歩という気持ちで」とおもてなしの心も説いていたという。
(2017年2月1日付、西日本スポーツより)




















