帰ってきた松坂大輔の狂騒曲「退室して」報道陣に異例お願い/復刻

西日本スポーツ

 ◆日めくりソフトバンク 誕生15周年

 ソフトバンク球団は今年15周年。球団がソフトバンクとなった2005年からの宮崎春季キャンプを、過去の西日本スポーツ掲載記事で振り返ります。

 15年2月1日はメジャー帰りの怪物・松坂がキャンプ初日のブルペンで、ある行動に出ました(年齢などは当時)。

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 帰ってきた怪物が「まだ見ないで!」。9年ぶりに日本球界復帰した福岡ソフトバンクの松坂大輔投手(34)が1日、異例の非公開練習で宮崎春季キャンプをスタートさせた。午後にブルペンで日本のマウンドの感覚を確かめると、自ら報道陣をシャットアウト。集中力を高めると、捕手を立たせて30分ほど投げ込んだ。キャンプ初日から1万7200人の大観衆に加え、報道陣約200人、テレビカメラ25台が集まる大フィーバーを巻き起こした「タカの背番号18」は、非公開のブルペンから完全復活への第一歩を踏み出した。

 人けのないブルペンに姿を見せたのは、日米通算164勝を誇る「タカの背番号18」だった。昼食後の午後2時半。17人のA組投手陣がアピール合戦を繰り広げた午前中とは違う静けさの中、松坂が日本のマウンドの感触を丁寧に確かめた。

 スパイクではなく、ランニングシューズを履いたままで11度のシャドーピッチング。そして、見守っていた約30人の報道陣に声を掛けた。「あの…、いいですか。退室していただいて」。異例ともいえる非公開でブルペンにこもった。

 外で待つ報道陣が耳にしたのは、立ったままで松坂の球を受けた加藤領ブルペン担当のミットから響く乾いた音。松坂が再び姿を見せたのは、約70球を投げ終えた約30分後。穏やかな表情を浮かべた右腕は、非公開ブルペンの意図を明かした。

 「集中してやりたかった。まだお見せできるようなきれいな形じゃないし、見せるのはきれいな形になってから。力(の入れ具合も)6、7割。スパイクを履くと力が入る。自分をセーブするために履かなかった」

 松坂本人は「セーブした」と振り返るが、加藤ブルペン担当は「スピンが効いていたし、球に力がある。投げている姿に雰囲気が漂っていた」と目を見張った。午前中にキャッチボールの相手を務めた五十嵐も「他の投手よりも球質が重い。ちょっと力を入れた球は怖かった」と証言した。

 米国より軟らかいとされる日本のマウンド対策も課題の一つ。キャンプ前は「(初日は)投球練習はしないと思うけど、何らかの形でブルペンには入ると思う」と話していたが、この日は「多少投げた方が感覚がつかみやすいと思った」と調整プランを上方修正した。

 「平成の怪物」の9年ぶりの日本球界復帰。キャンプには1万7200人が押し寄せ、25台のテレビカメラも松坂の動きを追った。「あらためて、いよいよ始まるんだなと思った」。2011年の右肘手術後は低迷が続いたが、今キャンプでは「原点回帰」を掲げて完全復活を目指す。

 「第1クールはこんな感じでチェックに時間をかけると思う。(捕手を)座らせて投げるのは第2クールからかな」。練習では「どこで何をしていいか分からない。体よりも精神的に疲れた」と苦笑いする一幕もあったが、静寂のブルペンで松坂が確かな第一歩を踏み出した。(谷光太郎)

(2015年2月2日付、西日本スポーツより)

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