編成トップが2軍に足を運ぶ理由 昨季新人で唯一デビューしていない男への思い

西日本スポーツ 石田 泰隆

 ◆タカ番記者コラム「好球筆打」

 今年は東京五輪の影響で、プロ野球は夏場に1カ月弱シーズンが中断するし、開幕も昨年より9日早い。

 そんなわけで各球団、春季キャンプの調整ペースが例年より早くなっているのが特徴的だ。例えば巨人はきょう4日、12球団最速で紅白戦を予定している。オープン戦初戦も16日のDeNA戦(那覇)と、こちらもどの球団より早い。

 ではホークスはというと、巨人ほどではないにしても、例年より調整ペースは早い方ではなかろうか。3日は第1クールながら投手陣が打撃投手として登板した。工藤政権6年目で初めてのこと。ここにも五輪の影響が見て取れる。

 その打撃投手として、泉、古谷、育成の尾形らフレッシュな面々がメイン球場で登板した。高卒4年目の古谷はこの時期で既に152キロを計測。支配下入りを狙う尾形も力のある球を次々と投げ込み、周囲の度肝を抜いたそうだ。

 そんな活気あるメイン球場を離れ、こちらは隣接するサブ球場へ足を運んだ。理由はA組(1軍)と同時刻で行われたB組(2軍)のフリー打撃が気になったから。そこに永井編成育成本部長兼スカウト・育成部長の姿もあった。

 「(打撃投手の)板東が気になって。トータルバランスのいい投手だし、見ておきたかった」

 永井編成育成本部長は理由を明かした。思えば同期の甲斐野は昨季、リード時の8回を任されて大車輪の活躍を見せたし、杉山、泉、奥村も1軍デビュー。だが板東は昨年大学、社会人からホークスに入団した支配下投手で唯一1軍マウンドに立てなかった。

 「板東自身、感じている部分があると思う。こっちの立場としても一昨年のドラフト(会議)で取った投手はそれなりにやれると思ったから、去年のドラフトは野手中心に動いた面がある。だから、やってもらわないとね」

 偽らざる本音だろう。チーム形成を任される立場。即戦力候補の出遅れは、その後のチームづくりにも影響を及ぼす。それだけに板東の台頭が待ち遠しい。「きょうはいい球は少なかったけど、大丈夫。今年はやれると思っている」。祈りにも似た“エール”が届くことを願うばかりだ。 (石田泰隆)

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