柳田「ブーメランか」森福の激曲がりスライダーに目が点/復刻

西日本スポーツ

 ◆日めくりソフトバンク 誕生15周年

 ソフトバンク球団は今年15周年。球団がソフトバンクとなった2005年からの宮崎春季キャンプを、過去の西日本スポーツ掲載記事で振り返ります。

 11年2月15日はドラフト2位ルーキー柳田が鮮烈な実戦デビュー。当時から独特だった表現で、先輩森福との対戦を振り返りました(年齢などは当時)。

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 タカの超新星が猛アピール! 注目ルーキーのドラフト2位柳田悠岐外野手(22)=広島経済大=が、初の紅白戦でいきなりのマルチ安打デビューだ。初打席で岩崎翔投手(21)から中前打を放てば、第2打席は森福允彦投手(24)から左前打。守備でも強肩を披露し、他球団のスコアラーをうならせると、走塁でも1盗塁。走攻守で強烈なインパクトを与え、激烈な外野定位置争いに殴り込みをかけた。

 「実戦向き」を証明してみせた。慌てない、焦らない。柳田には新人離れした冷静さがある。5回1死の第2打席。森福が投じた初球の切れのいいスライダーは「ブーメランかと思うぐらいえげつなく曲がった」。しかも変則左腕は一番の苦手だ。「追い込まれてこの球は打てない。早めに打つ」と判断。直後の2球目、外寄りの直球を逆らわず左前に流し打った。

 出塁した一塁上でも冷静な分析は続いた。「けん制するときと、ホームに投げるときのフォームの違いを見極めてから走ろうと思っていました」。2度のけん制を受け、カウント1-1からの3球目に二盗に成功。足でも魅了してスタンドの観衆を沸かせた。

 もちろん若さも持ち合わせている。積極性だ。2回1死の第1打席では、ファーストストライクを振り抜いて中前打。この日の岩崎からチーム初安打をマークしてみせた。守備でも俊足と強肩を生かして無難にノーミス。走攻守の猛アピールに、秋山監督は「センスがあるね。思い切りがいい。体は硬い、守備も動きが硬いけど、打撃はボールに対しての入り方がうまい」と及第点を与えた。

 その打撃では技術的な修正が奏功した。紅白戦直前の打撃練習。藤井打撃コーチからアドバイスを受けたという。「軸足の左足に重心を置くのではなく、股関節の真ん中から前に重心を置く意識で打つ。やってみたらバットがスムーズに出たんです」。対応能力の高さも示した。

 休日だった前夜は選手会長の川崎に連れられ、同期の野手とともに宮崎市内の焼き肉店に行った。「ムネさんはすべてにおいて前向き。おかげでリラックスできた。きょうはムネさん効果です」と声を弾ませる。早速の恩返し。「よく打ったね。若い人が頑張ると俺たちも負けていられない気持ちになる」と川崎を喜ばせた。

 他球団の警戒は強まる一方だ。ロッテの吉岡スコアラーは「三拍子そろったいい選手。もう少し見たい」と要チェックを宣言すれば、楽天の安田スコアラーも「肩はソフトバンクで一番ではないか」。対戦を想定し、守備面の分析も怠りなかった。

 激烈な今季の外野争い。定位置奪取を目指す中堅も例外ではない。昨季のレギュラー長谷川もこの日安打を放つなど順調。内川のコンバートもあり得る上、故障離脱中の城所や福田もいる。だが、輝きを増す22歳は「自分のことでいっぱいいっぱいです」と前だけを見据える。タカの超新星は間違いなくチーム全体を活性化させている。(大窪正一)

(2011年2月16日付、西日本スポーツより)

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