現役時代は野村ヤクルトに勝てなかった工藤監督「僕の野球観の全て」

西日本スポーツ 倉成 孝史

  野村克也さんの訃報に接した福岡ソフトバンクの工藤公康監督(56)が11日、半旗が掲げられた宮崎のキャンプ地で偉大な恩人を悼んだ。「現役の時から野村さんの本を全て読んで、配球のことや打者のことを勉強した。そこが僕の野球観を養う上でのほぼ全てでした。学びたいこともたくさんあったので、本当に残念です」。沈痛な表情を浮かべ、野村さんの考えが自身の野球観の基礎となっていることを明かした。

 「野村ID野球」で自身の投球を研究されて“丸裸”にされたことが、野球を深く学ぶきっかけとなった。西武時代の1992、93年に日本シリーズでヤクルトと対戦。シーズンで15勝(3敗)をマークし防御率1位だった93年は、シリーズで第1戦の先発を託されたが、初回にいきなり3点を失うなど、2回途中4失点でKOされた。第5戦でも5回にピンチを招き降板。日本シリーズでは通算9勝をマークしているが、野村監督が率いていたヤクルトと対戦したこの2年間は白星がない。

 「(研究されていたことを)感じました。ヤクルトの選手はカーブを飛び付くように打ってきた。『緩い球を狙っていけ』という指示だったことを後から聞いた」

 ID野球に攻略されたことで、野村さんの著書などで学び自身も相手打者や配球を深く研究するようになり、94年以降で7度も2桁勝利をマークした。「今でもそれを基にピッチャーの対策とかを立てている」と、監督就任後も野村さんの影響を受けていることを明かす。特に短期決戦などでは、相手のキーマンを徹底的に研究して攻略。監督として日本シリーズではここまで16勝4敗1分けの勝率8割と、驚異的な強さを誇っている。

 自身の野球解説者時代には「早くユニホームを着て、若い人たちを育てるとか、もっと野球を学びなさいと言っていただいた」と、監督就任への背中を押してもらったことも明かした。「本当にたくさん勉強させていただいて、それが今に役立っている」。野村さんを超す「名将」となることが、恩返しだと信じている。 (倉成孝史)

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