ソフトバンク王会長「カネさんと昔話をしてほしいね」天国の野村さんに

西日本スポーツ 石田 泰隆

 福岡ソフトバンクの王貞治会長(79)が11日、ともにプロ野球を支えた「戦友」の冥福を祈った。84歳で急逝した野村克也さんと顔を合わせたのは、先月21日に行われた金田正一さんの「お別れの会」が最後。その際の会話や、現役時代のマスク越しの「ささやき戦術」などグラウンド内外でのやりとりを振り返り、球史に残る強打の名捕手であり、名監督でもあった故人をしのんだ。

 王会長は野村さんの訃報に接し「まさかカネさん(昨年10月に死去した金田さん)に続いてね。本当に残念です。同じ時代を、悪戦苦闘して戦い抜いた戦友が亡くなるのは残念でならない。カネさんと昔話をしてほしいね。ご冥福をお祈りします」と沈痛な面持ちで語った。

 最後に顔を合わせたのは、先月21日に行われた金田さんの「お別れの会」だった。ともに最初に確認するのはお互いの体調面だったようで「車椅子ではあるけれどすごく元気そうだったので、今朝(訃報を)聞いた時は『まさか』というのが正直な気持ちでした」と驚きを隠せなかった。

 現役時代は所属リーグこそ違ったが、王会長が歴代1位の868本塁打、野村さんが同2位の657本塁打を放ち、ともに三冠王にも輝くなどライバル関係にあった。「対戦はオープン戦、日本シリーズしかなかったけど、僕が本塁打を打てるようになってからはノムさん宅におじゃましてごちそうになったり、野球の話をしたりした。何でも話せる仲だったし、僕といる時間は楽しそうにしてくれた」と当時を思い出し、笑顔を見せた。

 また、数少ない対戦の中、打席内で受けた「ささやき戦術」について問われると「何かブツブツ言ってたね。その時は聞こえるけど、それを聞いているようでは打撃はできませんから。長嶋さんにも張本にもあっただろうけど、それに引っかかるようでは結果は出ない」と対戦を懐かしんだ。

 王会長は、生前の野村さんが「王がいたから自分は常に2番目」と口癖のように話していたことも把握していた。「日本の本塁打数の記録で、僕がノムさんに追い付いた時はノムさんも抵抗して、並走して意地を見せていたけど、王に抜かれるなら仕方ないと思っていたんじゃないかな。実際に認め合って、尊敬もしていたからね」。選手としても、監督としても、切磋琢磨(せっさたくま)し続けた戦友の死を心から惜しんだ。 (石田泰隆)

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