中田久美監督メダルへてこ入れ 主将交代、ジュニア世代の名将迎え入れの背景

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 バレーボール女子の日本代表が今月、今年初めての合宿をスタートさせ、東京五輪に向けて本格的に動き始めた。メンバー選考やチームづくりが大詰めの段階を迎える中、就任4年目の中田久美監督は「ギアチェンジ」をテーマに掲げた。大分・東九州龍谷高の前監督で、昨年の世界ジュニア選手権でU-20(20歳以下)日本代表を世界一に導いた相原昇氏をコーチに迎え、主将も35歳の荒木絵里香(トヨタ車体)を指名。五輪でのメダル獲得という目標へ、チームをもう1段階、上のレベルに引き上げる考えだ。

世界6位から進化へ

 14、17日に公開された代表合宿中、中田監督は細かな指導を相原コーチらに任せ、静かに選手たちの動きをチェックし続けた。開幕まで160日を切った東京五輪。就任当初から目標に掲げるメダル獲得へ「ギアチェンジしないといけない」と力を込める。

 就任後の主要国際大会の成績は、2017年のワールドグランドチャンピオンズカップが6チーム中5位。18年世界選手権は6位で、19年ワールドカップ(W杯)が5位。現在の世界ランキングも6位にとどまる。五輪の表彰台に立つためには、大幅な進化が必要だ。

 その「アクセル」として期待されるのが、相原コーチの就任。東九州龍谷高で「春高」5連覇などを達成し、昨年はU-20日本代表も世界一に導いている。そのジュニア世代の名将に参謀役として白羽の矢を立てた。

 相原コーチは東九州龍谷高時代、高速コンビバレーで何度もチームを日本一に導いた。中田監督もテンポの速さを重視。「バレーの方向性が非常に似ている」と認める存在だ。ジュニアの指導歴が長く、分かりやすい指導が特長。高さの不利を補うため重点的に取り組むブロックアウトの練習でも、効率的なスパイクフォームを選手にたたき込んでいる。

 主将の交代も「エネルギー」だ。久光製薬監督時代からの教え子で、自身と選手のパイプ役を担った岩坂名奈から荒木に変更。「岩坂も全然、悪くなかった」と前置きした上で、「このチームを表彰台に上げるために、あらゆる面で考えた。経験に勝るものはない」と説明。08年北京五輪から3大会連続で出場している経験を若手の多いチームに還元してもらう狙いがある。

 今後は3月の米国遠征を皮切りに4月のテスト大会や5月から6月中旬にかけて開催されるネーションズリーグを経て、五輪メンバー12人を選出する。監督就任3年間でいまだに固定できていないセッターをはじめ、実戦を通じて五輪を勝ち抜くためのメンバー構成を探る。「(選考は)引っ張れるところまで引っ張る」と競争を促す中田監督。「新・東洋の魔女」の伝説へ-。五輪本番に向かって成長のスピードを上げていく。 (伊藤瀬里加)

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