WBC志半ば落選、松中と和田の再出発 秋山監督がかけた言葉/復刻

西日本スポーツ

 ◆日めくりソフトバンク 誕生15周年

 ソフトバンク球団は今年15周年。球団がソフトバンクとなった2005年からの宮崎春季キャンプを、過去の西日本スポーツ掲載記事で振り返ります。

 09年2月24日は志半ばでワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表入りを逃し、チームに戻った和田、松中が再スタートを切りました(年齢などは当時)。

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 福岡ソフトバンクの和田毅投手(28)が24日、今季の開幕投手に“内定”した。高山投手コーチは実績を踏まえ、開幕候補は「和田か杉内」と明言。杉内に関しては第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の不在時期を考慮する必要があり、事実上の“内定”となった。WBC日本代表から惜しくも漏れた左腕も、この日からチームの練習に合流。日本の公式球による投球練習を約4カ月ぶりに再開し、4年ぶり2度目の大役に照準を合わせた。

 プロ通算70勝を誇る左腕に大役を託す。惜しくもWBC日本代表から漏れた和田が、秋山ホークス第1号の開幕投手に“内定”した。「今回の悔しさを胸に秘めて、必ずやってくれるはずだよ」。高山投手コーチは揺るぎない信頼を寄せた。

 先発投手の最高の晴れ舞台であり、強烈なプレッシャーものしかかる開幕投手。「実績を考えると、和田か杉内のどちらかになるだろう」。高山コーチは大役を経験済みの2人の名前を明言。同時に、和田の“内定”の理由も説明した。

 最大の理由は、日本国内での調整が可能となったことだ。高山コーチも「WBCがあるし、確定はまだ」と話すが、日本代表が第1ラウンドで敗退する可能性は極めて低い。その上で「(和田の調整を)チームで見ることができる。ボクとしては安心」と続けた。

 杉内に関しては、WBCの負担に配慮。「大会中に開幕の話や状態の確認はできない」と高山コーチ。日本代表に集中させるため、期間中は電話連絡も最小限にとどめる方針。最長なら、開幕直前の3月25日に帰国するリスクも考慮した。

 この日からチームに再合流した和田も、4年ぶり2度目の大役に照準を合わせる。「プロの投手である以上、そこ(開幕投手)を狙うのは当然ですから」。ブルペンでは約4カ月ぶりにWBC球ではなく、日本の公式球で77球。「大丈夫。問題ない」と笑顔を見せた。

 24日夜には首脳陣と宿舎で今後を検討。高山コーチも「今後は和田が中心? そうなるでしょうね」と認めるように、オープン戦も開幕から逆算して登板する可能性が高い。順調なら3月6日の横浜戦で初登板し、その後は中6日登板を続け4・3開幕に備える。

 大役へのモチベーションも上がる一方だ。23日は秋山監督に誘われ、同じく代表漏れした松中とともに中華料理の食卓を囲んだ。「残念という話は少しだけで、後はたわいもない話でしたよ」。心機一転した左腕が、指揮官がV奪回の条件に掲げる「開幕ダッシュ」の先陣を切る。(相島聡司)

 ○…主砲の無念を3200人のファンは知っていた。白組の「4番DH」で出場した紅白戦。初回に巡ってきた打席で、松中の背中に温かい拍手が降り注いだ。結果は遊ゴロでも、下を向くことはない。「ありがたかった…」。再出発の一歩を後押しした、スタンドの声援に感謝した。

 WBCの代表合宿前に「最後の日の丸」と誓いながら、前回大会の4番はメンバーから外れた。昨夜は秋山監督から夕食に誘われ、宿舎内の中華料理店で和田とともに慰労された。「チームにとっては大助かりなんだから。頑張っていこうや」。気遣いが身に染みた。

 リフレッシュ目的で許可されていた帰福も断り、キャンプ地に残った。「あと3日しかないし、普通にやる」。心を入れ替え、照準を4月3日の開幕に定めた。ナインと一緒に戦い抜く決意を、もう一度固めたのだ。

 3回の第2打席は四球。計2打席で快音は出なかった。途中で退いたあとは、立花打撃コーチと言葉をかわした。「しばらく見てもらっていなかったから…。でも、開幕まで長いし、徐々に上げていく」。乱されることのない感情をバット1本に込め、松中は再び立ち上がった。(西口憲一)

(2009年2月25日付、西日本スポーツより)

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