SB高卒ドラ1新人が152キロ オール直球で圧倒、自軍もどよめき/復刻

西日本スポーツ

 ◆日めくりソフトバンク 誕生15周年

 ソフトバンク球団は今年15周年。球団がソフトバンクとなった2005年からの宮崎春季キャンプを、過去の西日本スポーツ掲載記事で振り返ります。

 08年2月26日は高校生1巡目ルーキー岩崎が、初実戦で大器の片りんを見せました(年齢などは当時)。

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 由規に負けんぞ、152キロだ! 福岡ソフトバンクの高校生1巡目ルーキー岩崎翔投手(18)が26日、2軍練習試合のセガサミー戦(宮崎・アイビースタジアム)で実戦初登板。自己最速を更新する152キロをマークし、中継ぎで1イニングをパーフェクトに抑えた。雨が降る悪条件の中、社会人相手とはいえ直球のみで3人をピシャリ。25日に楽天との練習試合で154キロを計測したヤクルトの高校生1巡目・由規投手(18)に負けない華々しいデビューを飾った。

 自軍のベンチですらどよめいた。「…ウソやろ?」。6回2死、セガサミーの8番坂田への初球。ファウルさせた真ん中高めの直球は、スコアボードに「152キロ」の表示をたたき出した。「キャンプを通して指のかかりはよかったんで、そのくらい出てたのかなという感じです」。高校時代の自己最速をいきなり1キロ更新。岩崎が衝撃とともにベールを脱いだ。

 3点を追う6回に2番手で登板。ブルペンでは霧雨だったが、身を打つ雨に変わっていた。「緊張もあったし雨も気になった。ストライク、とだけ意識しました」。先頭高橋への初球から146キロ。投手強襲ライナーを「見えてました」としっかりグラブに収めて加速する。今春、A組投手も未到達の152キロの次は151キロをファウルさせ、直球で押し通して3人でピシャリだ。

 カーブ、スライダーも持ち球だが、13球オール直球。「本当は三振も取りたかった。まあ変化球を投げなかったので…」。実はその配球も“計算外”だった。リードした荒川は「打者がついてきてなかったので、打たれるまで直球でいこうと。そしたら打たれなかった」と苦笑いで明かした。

 藤田2軍投手コーチは「最初であれだけ放れるのは大したもの」と舌を巻く。先頭打者をフルカウントから投直に仕留めた場面を挙げ「四球を出しそうなものだけどね。打球もキチンと捕っていた」。19、22日にB組のフリー打撃に登板したとはいえ、シート打撃も未経験だけに、実戦への対応力に目を見張った。

 前夜に宿舎で見たテレビでは、同期生の快速ぶりが大々的に取り上げられていた。ヤクルト由規が練習試合で最速154キロを計測。同部屋の高橋秀と「えぐいですね」と話していた。「ライバルじゃなくて遠い存在です。向こうはまだ上がってくる。僕は(152キロで)いっぱい、いっぱいです」。持ち上げながらも言葉に対抗心がにじむ。

 体重は入団から3キロ増えて78キロになっても、まだまだ線の細い印象は残る。シュート回転の球も目立った。「今すぐどうこうとは思わない」と石渡2軍監督。本人も「下半身を鍛えたりして、まず体をつくりたい」と現実的ながら、胸に秘めた目標はある。「今年、1回でも1軍を経験したい」。急がせずともその快速球は、遠くない未来に戦力として必要になる。そんな予感が漂う濃厚な1イニングだった。(森 淳)

 ○…王監督は152キロ右腕を「カズミ式」で育成する方針だ。25日のオープン戦でヤクルト由規が154キロを披露。自己最速を出した岩崎もあと2キロに迫ったが、由規や日本ハム中田ら即戦力と評される選手とはあえて一線を引いた。

 「清原や桑田らと同様に、由規や中田は特別じゃないかな」。KKコンビはPL学園、由規は仙台育英、中田は大阪桐蔭と“高校野球超強豪校”の出身。岩崎の市立船橋とは、やはり違うと考えている。斉藤も高校野球では無名に近かった南京都の出身。2軍でしっかり下半身を鍛え5年目の2000年にプロ初勝利。3年には20勝を挙げた。「岩崎もカズミと同じように、まずは2軍で下半身を鍛えてから」と大器の育成方針を示した。

 斉藤は右肩のケガもあり、プロ初勝利まで5年の歳月を要した。「きちんと出てきてくれれば、チームの財産から球界の財産になる」。王監督も認める才能がケガなく順調に育てば、同期生の由規や中田と1軍で競い合う日は早まりそうだ。

 ○…藤田2軍投手コーチも王監督の意向同様に「じんわり育成プラン」を打ち出した。3月1日から春季教育リーグが始まるが、体力強化、投げ込みを基本線に据え、当面は「登板は10日に1回ほどになるかな」と計画を披露。「まずケガしない体をつくること。イニングは徐々に伸ばす。今季終盤に完投できれば」と、先発完投型としての基礎固めを優先させる考えだ。

(2008年2月27日付、西日本スポーツより)

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