ソフトバンクキャンプ地の険悪ムード ファンサービス自粛、来場者への周知遅れ

西日本スポーツ

 ◆タカ番記者コラム「好球筆打」

 午後3時。ホークスキャンプを取材するわれわれ報道陣に、球団から1通のメールが届いた。中身は「新型コロナウイルス感染予防の対応」についてで、ファンサービスの自粛などが書かれてあった。

 これを受け「遅い」というのが正直な感想だ。チームには19日夜の段階で「ファンサービスの自粛」が通達されていた。であれば、その時点で球団公式ホームページなり、マスコミを通してでも、世間に発信すべきではなかったか。

 ファンはそんな事情を知る由もないから、この日もサインや握手を求め、声を張り上げていた。それを、事情を知る警備員が必死に止め、人によっては近づくことさえ制止する警備員もいたものだから、何も知らないファンとの間で険悪なムードになっていた。球団の発信が遅れたが故に、あまり見たくない光景が広がった。とても残念だった。

 チームが本拠地とする福岡市でもこの日、初めて新型コロナの感染者が確認された。3月20日のプロ野球シーズン開幕まで、ちょうど1カ月。この先、どんな事態が待ち受けるか誰にも想像できないが、チームとしては万全な準備を進めていくしかないのが現状だ。

 中でも、人一倍万全を求められるのが千賀だ。いまやエースの立場としてホークスの屋台骨を支える右腕は、3年連続開幕投手に向けて調整を進める。今キャンプは右ふくらはぎ違和感のため別メニュー調整スタートとなったが、現状、ライバルは見当たらない。

 この日も今キャンプ最多となる110球のブルペン投球を行い、患部の回復が順調であることをうかがわせた。「きょうはそれなりに力を入れ、球の強さも出てきた。次のクール(22日から)のシートで投げられたら」。発する言葉にも、日に日に自信がみなぎる。

 一方で、冷静さも失っていない。「もちろん、開幕投手をモチベーションに取り組んでいるけど、それがすべてじゃない。大事なのは一年間投げ抜くこと」。満足な練習ができず、ストレスをため込むこともあるだろう。あまりのスローペースに周囲の目も気になるはずだ。それでも前を向くしかない。ここからの1カ月は千賀にとっても、チームにとっても、大事な1カ月となるような気がする。 (石田泰隆)

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