五輪連覇に挑む大野将平 「私の誇り」と敬意を表して挙げた4人の名前

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

■全柔連強化委

 全日本柔道連盟(全柔連)は27日、東京都の講道館で強化委員会を開き、男女計12選手を東京五輪代表に選出した。九州関係では男子73キロ級で2016年リオデジャネイロ五輪王者の大野将平(旭化成)や同81キロ級でリオ五輪銅メダルの永瀬貴規(同)=長崎市出身、女子57キロ級の芳田司(コマツ)=福岡・敬愛高出身、同78キロ級の浜田尚里(自衛隊)=鹿児島県霧島市出身=が選ばれた。

 今回は早期決定を目指して3段階に分けて行う選出方式の第2段階。過去の国際大会の実績などを踏まえ、出席者の3分の2以上が2番手以下に大きな差をつけていると判断して決まった。女子78キロ超級の素根輝(環太平洋大)=福岡県久留米市出身=は昨年11月に代表入りを決めている。残るは丸山城志郎(ミキハウス)=宮崎市出身=と阿部一二三(日体大)が競り合う男子66キロ級のみ。4月4、5日に福岡市の福岡国際センターで開催される最終選考会の全日本選抜体重別選手権(西日本新聞社など共催)で決まる。

 天理大の先輩で、男子60キロ級で3連覇した野村忠宏らに続き、日本男子で4人目の五輪連覇への挑戦。高い頂に挑む大野のプライドを支えるのは、歴代の世界王者たちとの激闘だ。

 「リオ五輪(の代表争いで)は秋本選手、中矢選手、今回は海老沼選手、橋本選手。この4人のチャンピオンと争えたことが今の私の誇り。最高の準備をしたい」

 日本で最も層が厚い男子73キロ級。大野はリオデジャネイロ大会前に秋本啓之、中矢力、東京大会前に橋本壮市、66キロ級から階級を上げた海老沼匡と、世界選手権を制した経験を持つライバルたちを退けて2大会連続の五輪出場を決めた。「切磋琢磨(せっさたくま)したからこそ、成長させてもらった」。好敵手たちへの最大限の敬意を口にした。

 初制覇したリオ五輪後は大学院に通って修士論文を作成するなど、稽古以外の部分でも幅を広げた。昨年の世界選手権で4年ぶりの優勝。最初の選考機会だった昨年11月のグランドスラム(GS)大阪大会こそ左手人さし指のけがで欠場したものの、今月のGSデュッセルドルフ大会で優勝し、文句なしでの選出となった。

■リネールの境地に

 今や世界中の柔道家からマークされる存在だ。男子100キロ超級での連勝が「154」で止まったリネール(フランス)にも近い「絶対王者」の雰囲気をまとっている。「リネール選手は雲の上にいるような存在。彼にしか分からない境地で闘っている。自分もその境地に近づけるように」。東京は新たな「境地」にたどり着くためのステージとなる。

 五輪連覇への道のりは「思っている以上に難しいと思う」と覚悟する。ただ気負いはない。「特別なことをやるわけではない。自分の柔道の弱い部分を見つめ、稽古で嫌なことをし続ける」と力を込める。「(五輪は)自分の柔道を証明する場所」。最強で最高の柔道家「大野将平」の名を世界中に響かせる。 (伊藤瀬里加)

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