39歳の和田毅「捉え方は人それぞれ」9年前の無観客経験が生きるとき

西日本スポーツ 石田 泰隆

 ◆タカ番記者コラム「好球筆打」

 約1カ月に及んだ宮崎生活を終え、ようやくわが家へ帰れる。だというのに、和田は朝からショックを受けていた。楽しみにしていた人との再会がかなわなかったからだ。松坂だ。

 「こっち(生目の杜)に来るものと思っていたので、連絡してなかったんですよ。残念ですね」

 オープン戦前最後の練習試合は、3連覇を狙う王者西武が相手だった。和田はこの日の松坂の登板がないことは把握済みだったが、チームに帯同していないことまでは知らなかった。

 今後、西武との対戦は開幕4カード目までない。それだけに和田はショックを隠せなかったが、切り替えが早いのも特長だ。「仕方ないですね」。そう言って、白い歯をのぞかせた。

 と、ここだけ切り取ればあまりに希薄な関係に映るが、松坂への思いが強いのは周知の事実だ。「映像でしか見てないけど、今年はすごく状態がよさそう。どこかをかばいながら投げている感じもない。普通に先発ローテで回りそう」。わがことのようにうれしそうに話す姿が印象的だった。

 松坂にとっては3年ぶりのパ・リーグ復帰。しかも、プロ入りから8年間所属した古巣ということで、今年は「松坂世代」をけん引してきた両腕の投げ合いが久しぶりに見られるかもしれない。多くの野球ファン、特に30代以上にとってはたまらない瞬間が訪れることを願うばかりだ。

 その可能性を広げるためには、和田も先発ローテに入りたいところ。開幕までのオープン戦は全戦無観客で行われることが決定し、選手は普段の調整に加えモチベーションの保ち方、気持ちのつくり方と取り組むべき課題が増えたが、ベテラン左腕は意に介さない。

 「試合の入り方は難しい面はある」とはいうものの「無観客の経験はありますから」と言い切った。思い起こしたのは9年前の2011年。3月11日に発生した東日本大震災の影響でオープン戦が中止となり、試合形式で行われた広島との合同練習(13日、マツダ)での先発登板だ。

 結果は6回5安打6失点と散々だったが、客観視しながら投球できた。「捉え方は人それぞれ。条件は全員同じなので自分にどう生かすかじゃないかな」。経験を生かさない手はない。 (石田泰隆)

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