ソフトバンク東浜4被弾でも…首脳陣の様子に見えた揺るぎない信頼感

西日本スポーツ 石田 泰隆

 ◆タカ番記者コラム「好球筆打」

 かつては、と言ってもほんの6年前までだが、ホークスファンは「日本一広い本拠地球場」に胸を張っていた。それが今やラッキーゾーンと化したホームランテラスの設置で「日本一本塁打の出やすい球場」とやゆされるまでに成り下がった。心あるファンの悲しみはいかばかりか。

 そんなわけで、今季初の本拠地オープン戦。最初の“犠牲者”は開幕投手最有力の東浜だった。4回を投げて、まさかの4被弾。2番手古谷も1発を浴びたから、計5被弾だ。相手にしてみれば「打ちも打ったり」といった感じだろう。

 しかも、無観客試合だったから、完璧に捉えられた打球はその音である程度の着弾点が予測できた。それは投げている本人も同じ感覚だったに違いない。打たれた瞬間、何度も首をかしげる東浜の姿があった。それだけバットの芯で捉えられたということだ。

 開幕までのオープン戦登板は残り2試合。7日のDeNA戦、13日の広島戦で投球回と球数を伸ばし、20日の開幕戦に備える青写真だろう。試行錯誤を繰り返す段階ではあるが、あまりの一発攻勢に本人もショックを隠せず、登板後に予定されていた囲み取材は見送りとなった。

 それでも首脳陣の信頼は変わらない。工藤監督は「調整の一環だと思っています」と意に介さず、高村投手コーチも「本塁打は打たれたけど、本人にしてみれば今後、どう修正していけばいいかが明確になったはず」と前向きに捉えていた。そこには揺るぎない信頼感が見て取れた。

 当然だ。大黒柱の千賀、昨季新人王の高橋礼が故障で出遅れ、現状、先発ローテの軸として計算できるのは東浜とバンデンハークの2人だけ。経験豊富な和田も開幕ローテに名を連ねるだろうが、2月に39歳となったばかりのベテラン左腕に1年を通してローテーションを守ってくれというのは、少々酷な気がする。

 それだけに、東浜にかかる期待は大きい。故障さえなければ投球回を稼げる数少ない「イニングイーター」として、中継ぎ陣の疲弊緩和役も求められる。「巨(東浜)には先発の軸として1年投げきってほしいし、それができるだけの球を投げている」。高村コーチの言葉に力がこもるのも、自然の流れと言えそうだ。 

 ◆石田泰隆(いしだ・やすたか) 福岡県出身の42歳。東筑高3年夏に甲子園で完封経験あり。立大、米国でもプレーした体育会系。プロ野球取材一筋17年目。

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