「4強時代は終わった」男子マラソン戦国時代突入か 完敗井上の実感

西日本スポーツ

 東京マラソンは1日、東京都庁前から東京駅前のコースで東京五輪の男子代表選考会の一つとして開催され、日本記録保持者の大迫傑(ナイキ)が自らが2018年に樹立した日本記録2時間5分50秒を更新する2時間5分29秒で日本人トップの4位。残り1枠の代表入りが有力となった。日本人選手は2時間6分台が2人、同7分台も7人入るなど国内のレースでは過去最高レベルの戦いになった。

 果敢に先頭集団に挑戦した2018年アジア大会王者の井上大仁(MHPS)も2時間9分34秒でサブテン(2時間10分切り)を果たしたが、日本人17番手の26位。昨年は大迫や前日本記録保持者の設楽悠太(ホンダ)、東京五輪代表の服部勇馬(トヨタ自動車)とともに「4強」と呼ばれ、今回も大迫、設楽との「3強」と称されたが代表切符を逃した。

 レース後、大迫の日本新よりも高久龍(ヤクルト)と上門大祐(大塚製薬)が2時間6分台を出したことに驚いた。これまで現役で2時間6分台を出していたのは大迫、設楽、井上の3人だけだっただけに「3強、4強の時代は終わりましたね」と戦国時代の到来を実感していた。

 好記録の背景には記録を伸ばせる効果があるとされるナイキ社製「厚底シューズ」の効果もあるが、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「東京五輪に出たいという思いが(派遣設定記録の)2時間5分49秒を切りたいという“ファイナルチャレンジ”に向かってくれたから」と自ら考案に関わった今回の代表選考制度の成果を強調する。昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)に出場するためには2時間10分前後の記録が必要で、段階を踏んで速さを求めたのも実現可能な強化につながったようだ。

 井上のチームメートで1歳上の定方俊樹(MHPS)は2時間7分5秒で走り、自己ベストを8分以上も更新した。MGC前は井上の練習パートナーを務めており「いつか勝ってやると心の中で思いながら練習してきた」と、身近な目標が成長を促した。井上も「同じレースで負けたのは悔しいけど、チームにとってはプラスになる」と刺激を受けている。

 日本上位の大半は20代後半で、2時間7分27秒で13位の下田裕太(GMO)は23歳。伸びしろ十分なランナーばかりで、来年の世界選手権(米国)の代表争いも大迫を中心としながらも群雄割拠の激しい戦いになりそう。井上は「もう担ぎ上げられるのはいい。また一から(上を)狙っていく」と出直しを誓った。(末継智章)

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