王会長も驚き隠せぬ栗原弾 「何とか使いたい」首脳陣の“悩みの種”に

西日本スポーツ 石田 泰隆

 ◆タカ番記者コラム「好球筆打」

 完璧な一撃だった。栗原の今オープン戦1号だ。2月29日からの阪神2連戦で両軍計8本塁打が飛び出したが、一、二を争う飛距離ではなかったか。

 右翼ポール際ではあったが、中段通路のさらに上に着弾した。試合を見守った王球団会長も「大きかった。かなりの距離が出てたよ」と驚きを隠せなかった。

 今春の打撃結果を見ても好調さがうかがえる。宮崎キャンプ中の紅白戦は計7打数1安打だったが、2月23日以降の対外試合全6試合で安打を記録。19打数8安打の打率4割2分1厘と開幕1軍へ猛アピールを続ける。

 ただ一つ、悩ましいのは捕手という点か。同ポジションには絶対的地位を築いた甲斐の存在がある。どれだけ打撃でアピールしようとも甲斐がけがでもしない限り、2人の立ち位置は変わらないだろう。

 とはいえ、このままでは打撃のいい栗原が“飼い殺し”となり、チームにとってはマイナスでしかない。だからこそ、首脳陣はキャンプ中から本職の捕手以外にも、一塁や外野を守らせるなどして「ユーティリティー性」を見極めてきた。

 そのもくろみに今、栗原が結果で応えようとしている。森ヘッドコーチは「何とかしようという気持ちが伝わってくる。いろいろ守って大変だろうけど、全ては自分のため。それがチームのためになる」と高評価を与える。

 さらには「こちらが何とか使いたいと思うような打撃をしている。このままいけば開幕1軍も十分あり得る」とまで言い切った。その言葉を裏付けるように、1日は試合途中から今実戦初となる右翼の守備にも就いた。「第3捕手」だけでは終わらせない。首脳陣の本気度が伝わってくる。

 その熱を選手も感じているのだろう。この日の試合後、捕手練習を行っていた栗原を、居残り特打を行っていた長谷川が「近藤ラインに乗ってるね~」と冷やかしていた。近藤とは捕手としてプロ入りしながら、持ち前の打撃センスを生かすために外野に転向した日本ハムの近藤だ。

 冗談交じりではあったが、今年3年連続打率3割を目指すヒットマンと比較されるあたりが、既に認められた証しかもしれない。栗原の今後に要注目だ。 

 ◆石田泰隆(いしだ・やすたか) 福岡県出身の42歳。東筑高3年夏に甲子園で完封経験あり。立大、米国でもプレーした体育会系。プロ野球取材一筋17年目。

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